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独走ソフトバンクに“ある噂”「年俸の査定が変わった」真相を直撃「小久保裕紀監督は驚いて立ち止まり…」柳田悠岐が離脱も強い“決定的な理由”
posted2024/06/21 11:02
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph by
Hideki Sugiyama
ソフトバンクがとにかく強い。交流戦終了までに62試合を戦って41勝19敗2分の勝率.683、貯金22。2位に9ゲームの大差をつけてパ・リーグを独走している。
特に「鷹1強」を強く印象付けたのが5月21日、22日の楽天2連戦だろう。21-0、12-0と容赦ない圧倒劇。2試合連続2桁得点の完封勝ちというのは、1997年4月の巨人以来プロ野球史上3度目のことだった。
チーム打率もチーム本塁打数も、チーム防御率もすべてリーグ1位。
もはや無敵と言えよう。
柳田が離脱も…強さの正体
ただ、じつは本当の意味で今年のソフトバンクの強さを証明したのは、先頃まで行われたセ・パ交流戦だったのではなかろうか。
結果を見れば最終戦に敗れて優勝を逃したのに何を言っているのかと思われるかもしれないが、チームの屋台骨が揺らぐ悪夢のような出来事が交流戦期間中に起きた。5月31日の広島戦で柳田悠岐が右脚を痛め、右半腱様筋損傷で全治約4カ月の長期離脱となった。レギュラーシーズン中の復帰も微妙とされている。今季の柳田は開幕から3番打者として打率.293、4本塁打、35打点で打線を引っ張っていた。バットでの貢献はもちろんのこと、柳田といえばチームの顔。精神的支柱の離脱はソフトバンクにとって痛恨の極みだった。
さらに交流戦での誤算はもう1つあった。開幕から全試合で4番を打ち、現時点で12本塁打と48打点とパ2冠王に立つ山川穂高だが、どういうわけか交流戦の全18試合は打率が.203しかなく、ノーアーチで3打点のみと大失速したのである。
屋台骨といえる本来の3、4番が機能不全だったわけで、大コケしたとしても何ら不思議ではなかった。
にもかかわらず、ソフトバンクは交流戦を12勝6敗、12球団中2位で戦い終えた。また、柳田を失った後も10勝4敗。タレントぞろいのソフトバンクは「個」の力にどうしても目が行きがちになるが、強さの本当の理由はまた別のところにあることを証明したというわけだ。
ならば、強さの正体は何か。
激変を示す「ある数字」
着目したい数字がある。