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“現役ドラフトで日本ハム”水谷瞬23歳に楽天・藤井聖27歳、巨人ヘルナンデス29歳も…「一軍経験の少ない新戦力」が2024交流戦トレンドに

posted2024/06/21 17:41

 
“現役ドラフトで日本ハム”水谷瞬23歳に楽天・藤井聖27歳、巨人ヘルナンデス29歳も…「一軍経験の少ない新戦力」が2024交流戦トレンドに<Number Web> photograph by JIJI PRESS

交流戦MVPに輝いた日本ハムの水谷瞬。彼を筆頭にニューフェースが覚醒した2024年の交流戦だった

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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 19回目の交流戦が終わった。6連戦×3週間というスケジュールは、移動即試合の日程が多かったから各球団は大変だったと思うが、観る側にとっては分かりやすくてテンポが良かった。

 ここでは「両リーグ対抗戦」という観点で、交流戦の総括をしておきたい。

★1週間ごとの両リーグの勝利の推移
 1週目:セ14勝/パ19勝(2分)
 2週目:セ18勝/パ18勝 
 3週目:セ20勝/パ16勝(1分)

 1週目でパが5つ勝ち越したが、次第にセが追い上げた形。通算ではセ52勝パ53勝3分、パがわずか1勝ながら勝ち越した。

 19年の通算ではセ1174勝 パ1306勝。パの勝率は.527。パが16回勝ち越し、セはわずか3回。「なぜ、交流戦でパ・リーグが強いのか?」はずっと議論されてきたが、結論は出ていない。ただ、DH制があるリーグの方が強いのではないか、という仮説はある。

 MLBでもインターリーグが導入された1997年から2022年までの戦績を見ると、DH制のあるア・リーグが3636勝、ナ・リーグは3330勝、アの勝率.522。26シーズンでアが19回勝ち越し、ナが6回となっている。2022年にナ・リーグもDH制を導入したが、翌年のインターリーグはアが328勝、ナが362勝とナが勝ち越した。このあたり、さらに検証が必要だろう。

★交流戦前と今の両リーグの順位の変化
〈セ・リーグ〉
・交流戦前
 阪神48試25勝19敗4分 率.568 差--
 広島43試22勝17敗4分 率.564 差0.5
 巨人48試23勝21敗4分 率.523 差2
 中日47試20勝22敗5分 率.476 差4
 DeNA46試21勝24敗1分 率.467 差4.5
 ヤクルト46試18勝26敗2分 率.409 差7

・交流戦後
 広島61試32勝25敗4分 率.561 差--
 阪神66試32勝30敗4分 率.516 差2.5
 巨人66試31勝30敗5分 率.508 差3
 DeNA64試32勝31敗1分 率.508 差3
 ヤクルト64試27勝33敗4分 率.450 差6.5
 中日65試27勝33敗5分 率.450 差6.5

 阪神は交流戦、7勝11敗と負け越し。10勝8敗と勝ち越した広島と順位が入れ替わった。交流戦前に最下位だったDeNAは終盤に7連勝するなど11勝7敗として、首位を猛追している。

4勝14敗の西武が非常に厳しい状況に

〈パ・リーグ〉
・交流戦前
 ソフトバンク44試29勝13敗2分 率.690 差--
 日本ハム45試25勝18敗2分 率.581 差4.5
 ロッテ45試24勝18敗3分 率.571 差5
 オリックス46試19勝25敗2分 率.432 差11
 楽 天45試18勝26敗1分 率.409 差12
 西 武45試15勝30敗0分 率.333 差15.5

・交流戦後
 ソフトバンク62試41勝19敗2分 率.683 差--
 ロッテ63試31勝27敗5分 率.534 差9
 日本ハム63試32勝28敗3分 率.533 差9
 楽 天63試31勝31敗1分 率.500 差11
 オリックス64試29勝33敗2分 率.468 差13
 西 武63試19勝44敗0分 率.302 差23.5

【次ページ】 最多5本塁打は近藤健介でも万波でもなく…

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