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鎌田大地は“当然の代表復帰”、では伊東純也の招集見送りの理由は? 日本代表最新メンバーから読む“森保監督の思惑”「W杯まで考えるなら…」
posted2024/05/28 11:01
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
Getty Images
テーマは「オプションの底上げ」だろう。
6月の北中米W杯アジア2次予選に臨む日本代表が発表された。ここまで4連勝で勝点12を稼いでいる日本は、すでに3次予選(最終予選)進出を決めている。6月6日にアウェイでミャンマーと、11日にホームでシリアと対戦する今回の活動は、主力選手をフル稼働させなくてもいい。様々なトライをしたうえでも、勝利が見込める2試合である。
だとすれば、現時点で主戦術となっている4-2-3-1だけでなく、4-3-3などでも、ポジションごとの序列を見定めていきたい。「オプションの底上げ」とはそういう意味だ。
「クラブ事情」だけではない五輪招集の難しさ
森保一監督が作成した26人のリストには、パリ五輪世代の久保建英と鈴木唯人が含まれていた。大岩剛監督が指揮するチームは、6月7日と11日にアメリカでテストマッチを戦う。そのなかで彼らが日本代表に招集されたことについて、日本サッカー協会の山本昌邦ナショナルチームダイレクターは、「日本代表が最優先なのは基本中の基本です。最終予選へ向けていい準備をするなかで、力のある選手が招集された」とし、久保と鈴木の現状に触れた。
「クラブとのやり取りは継続的に、時間をかけて丁寧にやってきました。鈴木と久保に関しては、FIFAのIW(インターナショナルウィンドウ)以外は招集できない。クラブ側が招集に応じないという結論に、現状では至っている」
シーズン終盤に所属クラブでインパクトを残した鈴木には、デンマーク1部リーグからステップアップするとの噂もある。五輪はヨーロッパの多くのリーグのプレシーズンと日程が重なる。そのため、新天地を選ぶ選手が出場すると、チームにフィットする時間、監督にアピールする時間が削られてしまうことになる。クラブでのプレータイム確保が選手の成長につながり、それがそのまま代表チームのレベルアップに結びついていくと考えると、U-23世代の五輪代表招集にも慎重にならざるを得ないところがある。