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鎌田大地は“当然の代表復帰”、では伊東純也の招集見送りの理由は? 日本代表最新メンバーから読む“森保監督の思惑”「W杯まで考えるなら…」
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2024/05/28 11:01
日本代表に復帰した鎌田大地(ラツィオ)と、招集が見送られた伊東純也(スタッド・ランス)。26人のメンバーから読み解く森保一監督の思惑とは
東京五輪にオーバーエイジで出場した吉田麻也、酒井宏樹、遠藤航は、メキシコとの3位決定戦から1カ月も経たないうちにカタールW杯アジア最終予選の開幕戦に出場した。そして、日本代表はオマーンに0対1で苦杯をなめた。酒井はオマーン戦後にオーバーワークを考慮され、チームを離脱している。U-24世代で東京五輪に出場した板倉滉も、一度は招集されながらケガで離脱した。
パリ五輪でベスト4まで勝ち上がると、8月9日または10日まで試合がある。そして9月には、北中米W杯アジア最終予選が組まれている。日本代表の主力をパリ五輪のオーバーエイジに招集したら、3年前と同じように心身ともに疲弊したなかで最終予選に突入する、という事態も想定される。オーバーエイジの招集については、クラブの事情に加えて、そこまで考えておく必要がある。
鎌田大地は“当然の復帰”、伊東純也の招集見送りは…
今回のリストそのものに、大きな驚きはない。
ラツィオでプレータイムを伸ばしてきた鎌田大地の復帰は、当然のものとして受け止められる。そして、鎌田は「オプションを底上げする」キーマンにあげることができる。
森保監督は3月の北朝鮮戦で、4-2-3-1、4-3-3、3-4-2-1のシステムを使い分けた。鎌田は4-2-3-1ならトップ下、4-3-3ならインサイドハーフ、ウイングバックを置く3-4-2-1ならダブルボランチでの起用が見込める。ディフェンスで強度高くプレーでき、攻撃では決定的なエリアで仕事ができる27歳は、ボランチ寄りでも2列目寄りでもない選手として、独自の個性をチーム戦術に反映できる。
周囲の選手との連係にも問題はない。4-3-3のインサイドハーフでは、ウイングのプレースタイルによって立ち位置を変えたり、ポジションをチェンジしたりしながらバランス良くプレーできる。このところはオプションとなっていた4-3-3の練度を、鎌田の復帰によってもう一度高めることはできるはずだ。
伊東純也の招集見送りについては、「このタイミングでは無理をする必要はない」との判断だろう。4-2-3-1でも4-3-3でも、右サイドには堂安律と久保建英がいる。3月の北朝鮮戦も伊東抜きで戦っており、ミャンマーとシリアという対戦相手を考えれば、現状のスカッドで不安はない。