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「好きなプロ野球チーム」センバツ球児のトップ3に“変化”…巨人でもソフトバンクでもない1位は?「度会隆輝ら若手ズラリ…DeNAに可能性」 

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岡野誠

岡野誠Makoto Okano

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photograph byHideki Sugiyama

posted2024/04/07 11:02

「好きなプロ野球チーム」センバツ球児のトップ3に“変化”…巨人でもソフトバンクでもない1位は?「度会隆輝ら若手ズラリ…DeNAに可能性」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

甲子園球児が選ぶ「好きなプロ野球チーム」1位は? 写真は今春センバツを制した健大高崎ナイン

 セ・リーグ5球団が上位、パ・リーグ5球団が下位と二分された。阪神は3位で、最も有名と思われるNHK BS1での放送は12球団最多の22回に上った。つまり、昭和の頃と違い、現代では近畿以外の球児が“強い阪神”に興味を持てば、無料のBSテレビで目に触れやすい環境にある。そのため、全国的に票が伸びたのだろう。

BS日テレの巨人戦「対阪神」がほぼ独占

 また、放送回数も大事だが、どれだけ見られたかが最も重要である。BSは視聴率ではなく“視聴到達人数”を指標としている。公表局が少ない中で、BS日テレは昨年の巨人戦の到達人数ランキングを発表している。

1位 4月12日(水) 巨人×阪神     770.4万人 
2位 6月2日(金) 巨人×日本ハム  723.0万人 
2位 8月9日(水) 巨人×阪神     723.0万人 
4位 6月30日(金) 巨人×阪神     699.3万人 
5位 8月10日(木) 巨人×阪神     675.6万人

※ビデオリサーチ調べ。BS日テレで放送された各試合を1分以上視聴した推計到達人数(重複無し)

 ベスト5のうち4つが阪神戦だった。この4試合で、阪神は3勝1敗。1位は村上頌樹が7回まで完全に抑えながら8回に交代した試合だった。2022年はBS日テレの巨人対阪神の最高到達人数は706 万人だったというから、数字は伸びている。

 注目すべきは8月9日、10日の阪神戦だ。巨人は夏場を迎えても優勝争いに絡めず、4位に低迷。数字の減少が予想される中で、ランクインしている。おそらく“強い阪神を見たい”という視聴者がチャンネルを合わせたのではないか。

DeNA、ロッテに人気拡大の可能性あり…その理由

 後発BS局(BS12 トゥエルビ、BS松竹東急、BSよしもと)の放送回数の順位も出してみよう。

【後発BS局の生中継ランキング】

1位:34回 ロッテ 
2位タイ:29回 オリックス、ソフトバンク 
4位:22回 楽天 
5位:17回 日本ハム 
6位:15回 西武 
7位:3回 阪神 
8位タイ:2回 ヤクルト、広島  
10位:1回 DeNA  
11位タイ:0回 巨人、中日

 既存BS局とは逆に、パ・リーグ6球団が上位を占め、セ・リーグの主催試合の放送は1試合もなかった。後発BS局の認知度は高くないと思われるが、無料放送の利点は大きい。オリックスは昨年のBS放送の総合ランキングで最下位だったが、BS松竹東急が20試合中継したため、6位まで順位を伸ばした。「好きな球団」4位の主要因はパ・リーグ3連覇と思われるが、無料BS放送の増加も一因かもしれない。

 逆に言えば、後発BS局で1位のロッテ、既存BS局で2位のDeNAは優勝すれば、順位が一気に上がるはずだ。ロッテには藤原恭大や佐々木朗希、DeNAには度会隆輝や松尾汐恩などスター性のある若手選手が所属しており、ポテンシャルを秘めている。

 阪神の「好きな球団」1位も、その可能性を実証した。元来、人気球団のタイガースは一昨年2位、昨年3位と順位が高かったが、1位には届かなかった。つまり、日本一が栄冠をもたらしたのだ。来年も「好きな球団」トップになるためには、“アレンパ”が求められる。

#4に続く
好きなプロ野球選手「“大谷翔平と並んだ”人気1位は誰?」甲子園球児が選ぶベスト25発表…山本由伸と吉田正尚が4位タイ、ではトップ3は?―2024上半期読まれた記事

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