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《順位戦の明暗》藤井聡太名人への挑戦権は豊島将之33歳、深夜23時台の17分間でA級降級・残留が決着…人気棋士は各級でどうなった? 

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田丸昇

田丸昇Noboru Tamaru

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photograph byAsahi Shimbun

posted2024/03/27 06:01

《順位戦の明暗》藤井聡太名人への挑戦権は豊島将之33歳、深夜23時台の17分間でA級降級・残留が決着…人気棋士は各級でどうなった?<Number Web> photograph by Asahi Shimbun

藤井聡太名人への挑戦権を獲得した豊島将之九段

 高見七段はC2で8期も在籍した辛い時期があったが、2018年に初タイトルの叡王を獲得して羽ばたいた。B1へは3期目で昇級。対局で藤井八冠の扇子「温故知新」を用いるのは、藤井にタイトル戦でいつか挑戦したい思いがある。

 石井七段は前期に続いて連続昇級した。過去10期の順位戦ですべて勝ち越している。

 C級1組への降級者(降級点を累積2期)は、井上慶太九段(60)、飯島栄治八段(44)、畠山鎮八段(54)、中村修九段(61)、阿部隆九段(56)。井上九段はA(3期)・B1・B2に計30期、畠山八段はB1・B2に計22期、中村九段はタイトル2期にB1・B2に計41期、阿部九段はA(1期)・B1・B2に計27期と、それぞれ長期にわたってB2以上に在籍していた。

藤井にタイトル戦で挑戦・伊藤匠らがB2へと昇級

【C級1組】

 B級2組への昇級者は、10勝0敗の服部慎一郎六段(24)、9勝1敗の古賀悠聖・新六段(23)、8勝2敗の伊藤匠七段(21)。

 服部六段は前期に続いて連続昇級した。奨励会時代に対戦した藤井八冠とは、同世代の棋士として「ライバルでありたい」と思い続けている。昨年の叡王戦挑戦者決定戦では惜敗し、藤井への挑戦を逃した。

 古賀六段はフリークラス出身棋士(三段リーグで次点2回で四段昇段)として、前期順位戦のC2で初めて昇級した。そして今期も連続昇級した。

 伊藤七段は前期のC1で9連勝から最終戦で敗れ、同成績順位下位で昇級を逃した。今期は前半で2敗したが後半で連勝し、順位1位を生かして昇級した。藤井八冠には竜王戦と棋王戦で挑戦して敗退したが、3回目の挑戦の叡王戦に懸ける。

 C級2組への降級者(降級点を累積2期)は、高橋道雄九段(63)、日浦市郎八段(58)。高橋九段はタイトル獲得が王位、棋王など5期、A級在籍は通算13期という大棋士。しかし、2013年のA級最終戦で勝ち将棋を逃してB1に降級して以降は、順位戦で不成績が続いた。2022年のC1最終戦では勝てばB2復帰だったが、優勢な将棋を敗れて逃した。

現在の最年少棋士・藤本渚は1期目で昇級

【C級2組】

 C級1組への昇級者は、9勝1敗の冨田誠也・新五段(28)、同じく高田明浩・新五段(21)、同じく藤本渚・新五段(18)。

 富田五段は3期目で昇級。服部六段と組んで漫才を披露するひょうきんな一面がある。高田五段は3期目で昇級。藤井八冠とは小学生時代から交流があった。

【次ページ】 新四段の奨励会在籍期間の平均は「11.5年」

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