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《順位戦の明暗》藤井聡太名人への挑戦権は豊島将之33歳、深夜23時台の17分間でA級降級・残留が決着…人気棋士は各級でどうなった? 

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田丸昇

田丸昇Noboru Tamaru

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photograph byAsahi Shimbun

posted2024/03/27 06:01

《順位戦の明暗》藤井聡太名人への挑戦権は豊島将之33歳、深夜23時台の17分間でA級降級・残留が決着…人気棋士は各級でどうなった?<Number Web> photograph by Asahi Shimbun

藤井聡太名人への挑戦権を獲得した豊島将之九段

 藤本五段は最年少棋士で1期目で昇級。名前の「渚」の由来は7月の「海の日」生まれからで、海のような広い心を持ってほしいと名付けられた。奨励会時代は例会のたびに、父親が運転する車で高松から片道6時間かけて大阪の関西将棋会館に通った。現在は一家で大阪に移住。

 フリークラスへの降級者(降級点を累積3期)は、長沼洋八段(59)、竹内雄悟五段(36)。

 最年長棋士の青野照市九段(71)もC2から降級したが、年齢規定によって2023年度で引退が内定した。現役期間は50年にわたり、A級在籍は通算11期。今年2月に通算800勝という節目の勝利を挙げた。青野はインタビューに答えて、「私はまだ引退したと思っていません。残っている棋戦の対局にしっかり取り組みます」と力強く語った。

 2023年度順位戦の各クラスの昇級者と降級者は、総じて「若強高弱」の傾向となった。前者の約7割が20代・10代、後者の約7割が50代・60代・70代だった。

新四段の奨励会在籍期間の平均は「11.5年」

 最後に、2023年度に晴れて棋士になった4人の新四段を紹介する。

◆宮嶋健太・新四段(24)
 岐阜県出身。2011年に大野八一雄七段の門下で奨励会に入会。三段リーグは8期。※2023年10月1日付で昇段。

◆上野裕寿・新四段(20)
 兵庫県出身。2015年に井上慶太九段の門下で奨励会に入会。三段リーグは10期。※同上で昇段。

◆山川泰熙 ・新四段(25)
 宮城県出身。2010年に広瀬章人九段の門下で奨励会に入会。三段リーグは13期。※2024年4月1日付で昇段。

◆高橋佑二郎・新四段(24)
 千葉県出身。2011年に加瀬純一七段の門下で奨励会に入会。三段リーグは7期。※同上で昇段。

 4人の新四段の奨励会在籍期間の平均は11.5年。三段リーグの平均は9.5期。長年の苦労が実って棋士になった。その一方で23年度後期の三段リーグ(計45人)には、山下数毅三段(15)をはじめに10代の三段が12人もいる。藤井八冠を追う若い勢力として、早く台頭してほしいものだ。

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