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英国紙が絶賛「トミヤスはアーセナルサポーターを感動させた」一方で…じつはロンドン現地番記者を悩ます冨安健洋24歳「CBか?SBか?」問題
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田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byGetty Images
posted2023/10/12 17:50
![英国紙が絶賛「トミヤスはアーセナルサポーターを感動させた」一方で…じつはロンドン現地番記者を悩ます冨安健洋24歳「CBか?SBか?」問題<Number Web> photograph by Getty Images](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/7/7/700/img_77b718ee46c1ac1603a05866e6190519397653.jpg)
10月8日、リーグ戦で8年ぶりにマンチェスターシティに勝利したアーセナル。マルティネッリの決勝ゴール後に喜ぶ冨安健洋とウーデゴール
アルテタ監督は左サイドバックに「偽SB」のタスク、つまり自軍のボール保持時に位置取りをピッチ中央のボランチの位置まで押し上げ、パスワークに参加するよう求めているという。守備時になると、左SBの位置で敵の攻撃を封じる。そして自軍のポゼッションには、中央部に入ってMFのように振る舞う──。頭の切り替えが非常に難しいこの役割について、冨安本人は次のように語る。
「(記者:左SBとしてプレーしながら、中央に入ってボールを受けている。難しさはありますか?) 正直に言って、まだどこにポジションを取ったらいいのかということも(自分の中で)はっきりしていないです。スタッフにも話していて、ビデオを見たりとか、『ちょっと話そうか』という感じで確認しながらやっている。それも試合を重ねるうちに良くなっていくと思います。監督からも、はっきり『中に入れ』と指示を受けているので。昨シーズンは、そこまではっきり言われていなかったんです。自分にとって新しいチャレンジですし、ポジティブに捉えて積極的にやっていければいいなという風に思っています」
記者から「日本代表ではCB、アーセナルに戻ったら左SB。 ポジションによって、どのように頭の中を切り替えているか」と質問が飛ぶと、24歳DFは丁寧に説明を続けた。
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「アーセナルの左SBは、チームがボール持っている時に、もうボランチみたいな感じになりますし。結構タスクが多いというか、重要なポジションではあるので。
切り替えについては、アーセナルと日本代表のサッカーは明らかに違うので。そこで、まずひとつ切り替えが必要です。でも、どう振る舞ってほしいっていう指示を(アーセナルで)はっきりと受けているので、それをしっかりどれだけピッチ上で表現できるかっていうところかなと思っています」
偽SBのタスクをこなせるDFはプレミア全体を見渡してもまだまだ少ないが、その内のひとりがアーセナルに所属するウクライナ代表のオレクサンドル・ジンチェンコだ。彼はSBの位置ではDFとして動き、中盤の位置に入ればMFのようにプレースタイルを変えられる名手である。「ジンチェンコからアドバイスを受けていますか?」。記者から問われると、冨安は次のように答えた。
「別に話すことはないですね。 彼と『完全に同じことをやる』と言われてもできないですし。僕はどちらかというと、守備のところで良さを出していく選手なので。でも、監督から求められてる以上、それをやっていくしかないです。ただ『見て、盗む』っていうところはやってます」
アーセナル番記者はトミヤスをどう見ている?
英紙デーリー・テレグラフでアーセナル番を務めるサム・ディーン記者も、ドイツ戦での冨安のプレーに感銘を受けた一人だ。「サネへのファンタスティックなチャレンジなど、冨安がパワフルで運動量豊富なプレーを見せたのは心強かった。フィットネスが上がってくれば、最高のパフォーマンスが期待できることを改めて証明した」とし、冨安のプレーを褒め称えた。
ただ、「アーセナルでCBとして出場機会が増えていくと思うか?」との質問には否定的な意見を述べた。