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英国紙が絶賛「トミヤスはアーセナルサポーターを感動させた」一方で…じつはロンドン現地番記者を悩ます冨安健洋24歳「CBか?SBか?」問題
posted2023/10/12 17:50
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph by
Getty Images
「日本代表での冨安健洋のプレーは、アーセナルサポーターを感動させた。最高のパフォーマンスだった」
こう絶賛したのは、イギリスの大衆紙サンである。日本代表の9月シリーズ・ドイツ戦で、冨安は圧巻のパフォーマンスを披露。ピッチ上で攻撃の芽を摘みながら、力強い守備でブロックし、最終ラインからビルドアップでも攻撃の起点になった。
驚異的だったのは前半45分の場面。ドイツのカウンターを受けた冨安は、俊足ウインガーのレロイ・サネを追いかけた。冨安は快足を飛ばしてサネを射程圏に捉え、スライディングタックルで突破を許さなかった。
冨安を褒めたのは、サンだけでなかった。英紙デーリー・エクスプレスも次のように記した。
「冨安はこれまでアーセナルでSBとしてプレーしてきた。ドイツ戦で最高のパフォーマンスを披露し、板倉滉と共にドイツの攻撃を見事に封じた。CBとしてもプレーできることを、冨安はミケル・アルテタ監督に証明した」
このドイツ戦後、アーセナルでのプレー位置、起用法に若干の変化が見えた。クラブとして優先順位の高い「国内リーグ」と「チャンピオンズリーグ」はSBでの出場が続いている。ただ、メンバーを落としたリーグ杯ブレントフォード戦(9月27日)でCBとしてピッチに立ったのだ。
21年8月に加入したアーセナルで、冨安が4バックシステムのCBとして先発するのはこれが初めて。CBとして安定感の高い守備を披露した。さらに万能性を生かして後半24分から右SB、同42分から3バックの右CBとしてプレーし、1−0の完封勝利に貢献した。
「正直言って…」アーセナルと日本代表での“違い”
それでも、冨安の主戦場はSBである。特に、アーセナルでは左SBでの出場が圧倒的に多い。冨安によると、この左SBにはアルテタ監督から特別な指示が与えられ、右SBとは役割やタスクが異なるという。