核心にシュートを!BACK NUMBER
トルコ監督「日本にフィジカルで劣った」“4戦連続4ゴール以上”の驚き…「良い意味で日本らしくない」遠藤航、鎌田大地が語る“2つの脱皮”
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph bySipa USA/JIJI PRESS
posted2023/09/14 11:00
トルコ戦、4-2で勝利した日本代表。選手層の分厚さ、これまでの課題を払拭するかのようなたくましさが感じられた
「ああいうレベルで普通にやって、試合に勝つというのを選手みんなが『当たり前にしていきたい』と思っているし。(勝って浮かれるのではなく)『ああいう試合を続けていくことが大事だ』と多分みんなが思っているはずなので」
実は森保一監督も、鎌田と同じような感覚を覚えていたという。
「私が選手に話すまでもなく……ドイツ戦の勝利について、『ここがゴールではない。さらなる成長をしなければいけない。次に向かって、最善の準備をして勝利を目指して戦う』と選手同士で、声をかけてくれていました。私があえて(『ドイツ相手の勝利で満足しないように』と)言うまでもないところが、非常に素晴らしいところかなと思っています。誰も満足していないんです。満足や慢心があった時点で、成長は止まりますので」
ドイツ戦に先発した選手たちの意識のなかには、「気を抜いたらポジションを奪われる」という危機感があった。先発しなかった選手たちには、「あのメンバーがレギュラー当確と思われてなるものか」という危機感があった。
そのような〈メンタル〉を今の日本代表の面々は兼ね備えている。もっとも、それも鎌田に言わせれば「上を見れば、(強豪国は)どこもそんな感じ」ということなのだが。
その上で「日本人の一番良いところ」は?
結局、気がつけば、かつては日本人の課題とされていた〈フィジカル〉〈メンタル〉の部分でのハンデなど、なくなっていたのだ。
では――それに伴って、日本人が従来持っていたような、日本人としての良さも失われてしまうのだろうか?
きっと、そうではない。キャプテンの遠藤は、これまでも日本人の良さとして考えられた資質は、最後に生きてくると考えている。
「チームのために戦うというところは、日本人の一番良いところだと思うので。(従来のように日本が)『個で勝れないからチームとして戦う』というのではなく、『個で勝りながらも、チームとして戦う』ということです。それができれば日本代表チームは、さらに強くなっていくと思います。そのためにも、ビッグクラブでやっていく選手たちが増えていけば、日本代表はより、強いチームになっていくんじゃないかなと思っています」
ゴツイ身体をして、勝利に飢えている選手たちが、同じ目標のもとにまとまっていく。これからの日本代表はそんな頼もしい集団になるのかもしれない。そのような期待を抱かせてくれるのが、今回のヨーロッパ遠征だったのだ。
<第1回から続く>
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。