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《日本4-1ドイツの真相》三笘薫が「前半から全然やれる」と感じたのはナゼ? TVで報じない選手の証言「その数字自体を上げていこうと」
posted2023/09/11 19:25
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Daisuke Nakashima
ドイツ代表相手に敵地で4-1という歴史的勝利は「意志の力」によるものだった。大切なのは4つも生まれたゴールではない。そこに至るまでのプロセスだった。
ミスをしても怖気づくことなく、トライを続けた。そこにたしかな成長の跡があった。
守田「W杯と違って、また1つ成長した部分なのかなと」
試合開始4分。GK大迫敬介から冨安健洋へのパスがずれて、ザネにカットされてしまった。そこからのパスがゴール前のハバーツに渡った瞬間に決死のクリアをして、コーナーキックに逃げたのは守田英正だった。
試合が壊れかねないピンチを救った守田は、そこからの日本の戦いに胸を張る。
「最初に少し崩れてしまって、相手のコーナーキックになったり、試合の入りは正直、良くなかったと思うんです。それでもボールをつなぐことをトライできたというのは、今までになかったことかなと思います。そういうサッカーで、あの雰囲気の中で、ちゃんとリードしてハーフタイムを迎えられたというのは、W杯と違って、また1つ成長した部分なのかなと」
これには三笘薫も同意見だ。
「サコ(大迫)が怖がって(丁寧なビルドアップでつなぐのを)やめていれば、違う選択肢がありましたけど……。あそこで怖がらずにやれた、“やってくれた”というのが、 良いことでした。配置的にサイドバックのところが空いてくるっていうところ(分析)がありましたし、そこを上手く突く上でも、(ビルドアップの)最初のところで、優位な位置と動かし方を練習していましたから」
三笘が「全然やれる」と語った根拠とは
これこそが、カタールW杯の最後のクロアチア戦で置き忘れた課題だった。
あの試合ではPK戦での敗戦がクローズアップされるが、もっと大きな問題があった。
日本はパスをつなごうとして序盤に上手くいかないシーンが続いたことで、丁寧にビルドアップしていくという意志を放棄してしまった。それが引き金となり、前田大然のゴールで先制しながらも同点に追いつかれ、最後はPK戦の末に敗れてしまった。あの敗戦を招いたのは、「相手が強くても自分たちはパスをつなげる」という自信が欠如していたことだった。
当時と決定的に違うのは、今のチームには自信があるということだ。
三笘は言う。