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「ダルビッシュ36歳は200勝まであと11、大島洋平37歳は2000安打まで…」今後の名球会入り予想してみた「“あのWBC戦士”は27歳でもう候補」 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byHideki Sugiyama・Naoya Sanuki

posted2023/04/25 11:03

「ダルビッシュ36歳は200勝まであと11、大島洋平37歳は2000安打まで…」今後の名球会入り予想してみた「“あのWBC戦士”は27歳でもう候補」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama・Naoya Sanuki

名球会入り条件を満たす成績に近づいている大島洋平とダルビッシュ有。彼ら以外の“候補者”は?

「250セーブ」到達の可能性があるクローザーたち

〈投手 100S以上の現役投手〉
平野佳寿(オ)39歳226S(5S)※NPB218S、MLB8S
山﨑康晃(De)30歳213S(6S)
松井裕樹(楽)27歳201S(4S)
益田直也(ロ)33歳188S(6S)
増田達至(西)35歳178S(3S)
森唯斗(SB)31歳127S(-S)
中﨑翔太(広)30歳115S(-S)

 250セーブ以上が名球会入りの基準。オリックスの平野は日米通算で226セーブ、今季早くも5セーブを挙げている。中嶋聡監督はワゲスパックなど他の投手も併用しながら39歳の平野を大事に使っている印象だ。平野は昨年も28セーブしているから、今年中に250セーブに達する可能性は十分あるだろう。

 MLB挑戦を断念した山﨑もここまで6セーブをマーク。今季、ハマスタで山﨑が登場するときは球場が暗転し炎を噴き上げるなどド派手な演出になっている。あと37セーブ(昨季は37セーブ)で大台に達する。さらにWBC戦士の松井裕樹も順調だ。彼は20代で名球会入りする可能性がある。

 ロッテ、西武の「両マスダ」も健在。数字的には250セーブは厳しそうだが、どこまで迫れるか。ソフトバンクの森は先発転向を表明したが、故障で出遅れている。広島3連覇時代の守護神だった中﨑も再起の途上だ。

上原、藤川は「特別枠」で入会した

「名球会」には、こうした数字の基準だけでなく、会員の4分の3以上の賛成で「特別枠」で入会が認められる。昨年、この枠で2人の選手が入会した。

〈上原浩治〉
NPB 112勝67敗33S23H 防御率3.02
MLB 22勝26敗95S8H 防御率2.66
〈藤川球児〉
NPB 60勝38敗243S163H 防御率2.08
MLB 1勝1敗2S1H 防御率5.74

 200勝、250セーブに届かないものの長く活躍した2投手だ。その実績からして入会に異論はないが、名球会は野球殿堂と異なり「数字で到達ラインが分かる」のが特色だった。数字の基準は引き続き残るにしても――今後は会員の意向が左右することになると言える。

 現役選手で言えば、前述の西武・中村は、すでに入会資格がある実績を残したと言っても過言ではないだろう。さらにホールドは名球会入会の条件にはない。ただNPB史上最多の381ホールドをマークしている日本ハムの宮西尚生も資格があるのではないか。

 プロ野球OBは、「殿堂入り」「名球会入り」の肩書がつけば、講演料などが違ってくるとも言われる。筆者はプロ野球で長期間にわたって一流のプレーを見せた選手は、球史にその名をとどめるべきだと思う。だからできる限り多くの人物に顕彰してほしい。ただそれと同時に客観性も必要だとも思う。

 なお「2000本安打、200勝、250セーブ以上」という観点での名球会入りは、2021年9月の西武・栗山巧が最後だ。今季は入会者が出るだろうか?

【次ページ】 中村剛也、浅村が奮闘を見せた1週間だった

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