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WBC“あの腕組みドヤ顔”アロザレーナがメキシコの英雄に、大谷翔平は米歌姫の恋人候補!? 活躍した選手たちの「スター化」がスゴかった
posted2023/04/26 06:00
text by
水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph by
Getty Images
侍ジャパン戦士の離脱ニュースが聞こえてくる中、MLBではどうかといえば状況は少し異なる。
不調に陥ったりケガで離脱したりという選手ももちろんいるが、開幕から頭ひとつ抜けるレベルで絶好調という選手が目立っている。米国代表だったメッツのピート・アロンソ内野手は4月21日にメジャー一番乗りで2ケタ本塁打に到達し、同月24日(日本時間25日)時点でシーズン70本ペース。新人最多本塁打記録を更新する53本を放ち本塁打王となった2019年を上回る勢いで打ちまくっている。
ベネズエラ代表だったマーリンズのルイス・アラエス内野手は、同じく24日時点で打率4割4分4厘と現在メジャーの首位打者争いで断トツのトップ。ツインズに所属していた昨季も3割1分6厘でア・リーグ首位打者に輝いたが、昨季の同時期より約1割も打率が高い。投手では、侍ジャパンのエンゼルス大谷翔平が5試合に登板した時点で防御率0.64と驚異的な数字でメジャートップを走っている。
アロザレーナはメキシコの英雄に
スター選手がWBCで輝きを増し、大会後にそのスター性をさらに高めているケースも目立っている。
例えばメキシコ代表で攻守に活躍し1次ラウンドC組MVPに輝いたレイズのランディ・アロザレーナ外野手がそうだ。メキシコは下馬評を覆す快進撃で優勝候補の一角にいたプエルトリコを準々決勝で破り、初進出した準決勝で日本と熱戦を繰り広げた。アロザレーナは勝負強い打撃を発揮し、鉄壁の守備で侍ジャパンに立ちはだかった。特に準決勝の5回に岡本和真の本塁打をもぎ取ったビッグプレーは、メキシコのファンの心を鷲づかみにしたという。
今やメキシコでは英雄中の英雄。MLB開幕後はメキシコのメディアで連日、アロザレーナのニュースが伝えられ、所属チームのレイズがメジャー史上最長タイの開幕から13連勝を記録したときは「アロザレーナとレイズが歴史的快挙」と騒がれた。トレードマークとなった「腕組みドヤ顔ポーズ」はメキシコで大流行となり、4月中旬にメキシコで開催された少年少女野球大会「MLBカップ」では、子供たちがみんな競うように腕組みポーズを真似た。