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「ダルビッシュ36歳は200勝まであと11、大島洋平37歳は2000安打まで…」今後の名球会入り予想してみた「“あのWBC戦士”は27歳でもう候補」
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byHideki Sugiyama・Naoya Sanuki
posted2023/04/25 11:03
名球会入り条件を満たす成績に近づいている大島洋平とダルビッシュ有。彼ら以外の“候補者”は?
なおヤクルトの青木宣親は日米通算2657安打(NPB1883安打、MLB774安打)。イチロー(4367安打)、張本勲(3085安打)、野村克也(2901安打)、王貞治(2786安打)、松井稼頭央(2705安打)に次ぐ6位である。日米通算では2000本をクリアして名球会入りしているが、NPB単独ではあと117安打となっている。今季すでに9安打しており、これも彼の目標になっているだろう。青木は一時期NPBの通算最高打率を保持していたが、今は打率.317で5位になっている。
ダルは日米通算189勝、では田中将大は?
〈投手 100勝以上の現役投手〉
田中将大(楽)34歳192勝(2勝)※NPB114勝MLB78勝
石川雅規(ヤ)43歳183勝(0勝)
和田毅(SB)42歳156勝(1勝)※NPB151勝MLB5勝
涌井秀章(中)36歳154勝(0勝)
岸孝之(楽)38歳149勝(0勝)
菅野智之(巨)33歳117勝(-勝)
西勇輝(神)32歳111勝(1勝)
則本昂大(楽)32歳106勝(0勝)
以下2人はMLB所属
ダルビッシュ有(パドレス)36歳189勝(1勝)※NPB93勝MLB96勝
前田健太(ツインズ)35歳156勝(0勝)※NPB97勝MLB59勝
NPBに復帰後、好投しても勝ち星に恵まれなかった楽天の田中だが、今季は早くも2勝。秋には2016年の広島・黒田博樹以来の200勝(日米通算では3人目)も期待できそうだ。パドレスのダルビッシュ有は、4月23日のダイヤモンドバックス戦で今季初勝利を挙げた。今年8月に37歳となる彼も今季中に200勝に到達する可能性がある。ただ該当試合で途中降板となった原因の足の状態は気がかりだ。
NPB単独での200勝投手は2008年の中日・山本昌以来出ていない。その中でヤクルトの石川は43歳になった今季もすでに2試合に登板している。勝利こそまだないが――健在ぶりを踏まえれば、あと17勝は現実的な目標だろう。もし達成すれば山本昌の42歳11カ月を抜いて最高齢での名球会入りになる。
松坂世代最後の現役・和田、涌井、前田は?
なお松坂世代最後の現役選手、ソフトバンクの和田はすでに1勝を挙げている。彼が達成した場合、史上最高齢での名球会入りになると想定される。ツインズの前田健太はトミー・ジョン明けだがすでに3回登板。勝ち星に恵まれていないが、今後の積み重ね次第で可能性はあるだろう。
西武、ロッテ、楽天の3球団で最多勝を記録した涌井は今季、中日に移籍した。勝利はまだだが、ローテを維持している。ダルビッシュ有と同い年であり、彼もひそかに200勝を目指しているのではないか。同じく西武出身の楽天・岸はあと1勝で150勝だが、今季は3登板して防御率6.92と調子が上がっていない。巨人のエース菅野はMVP2回、沢村賞2回、最多勝3回の大投手だが、このところ成績は下降気味。今季はまだ登板していない。