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「ミトマのお母さんに感謝しないと…」なぜデゼルビ監督は三笘薫25歳の才能を見抜けた? イタリア人記者が明かす「デゼルビが絶対に許さないこと」
text by
アレックス・フロジオ/ガゼッタ・デッロ・スポルトAlex Frosio / La Gazzetta dello Sport
photograph byGetty Images
posted2023/04/16 11:03
昨年9月、シーズン途中でブライトン監督になったデゼルビは三笘薫を積極的に起用。なぜイタリア人指揮官は三笘を“愛する”のか?
たくさんボールに触れ、技術を用いて敵の守備陣を崩し、ゴールを奪うことを主眼に置いたファンタジスタだった。指導者になっても、彼のカルチョ観は変わらず、どこに行っても攻撃を最大の身上とするチームを築いている。そして選手たちには、最適なポジションで自らの特長を遺憾なく発揮することを求めているのだ。
逆に言うと、攻撃の選手には自由を与えてもいる。とりわけ勇ましく1対1を仕掛ける三笘のようなアタッカーには。
「失敗してもいいが、勇気を持たずにプレーすることは許さない」とデゼルビは言う。「うまく行った時は選手の手柄でいいし、そうでない時は私が責任を取る。だが、勇敢さが感じられないフットボールだけは、絶対に受け入れられない」
おそらく、デゼルビが一番気に入っている三笘のクオリティーは、勇気だ。彼のプレーを見ていれば、誰もが彼の大きな度胸を感じるはずだ。世界でもっともレベルの高いプレミアリーグで、ワールドクラスの相手に向かってドリブルを仕掛け、時には密集地帯にも突き進んでいく。それを実現するには、高い技術だけでなく、確固たるパーソナリティも必要になる。双方を兼ね備える希少な選手が三笘であり、彼の稀有な能力を十全に引き出しているのがデゼルビなのだ。
いまや、カルチョの国にも三笘の名は広がっている。イタリアの過去20年間でもっとも果敢だったドリブラーのひとり、アントニオ・カッサーノはこの日本代表の印象について、次のように語った。
「もし私がビッグクラブの会長だったら、すぐに彼を引き抜くだろう。あんなに大胆な選手は、誰もが欲しがるはずだよ」
<前編から続く>