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大阪桐蔭戦で光った報徳学園・堀柊那の“強肩”ぶり…スカウトの評価は?「堀の涙からスタートした」監督が明かすキャプテンの成長記録
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![沢井史](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_636ceed8b0ac77ba158de4c6caae32b716403.jpg)
沢井史Fumi Sawai
photograph byNanae Suzuki
posted2023/04/07 06:00
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主将としてチームを牽引した報徳学園・堀柊那。打撃では気負いを感じさせたが、勝ち進むにつれて存在感を示した
そうして迎えた準決勝の相手は、昨春の覇者・大阪桐蔭である。初回から報徳バッテリーには次々とピンチが訪れたが、そのたびに堀はマウンドにいる投手に駆け寄った。時には仲間たちの頬をつねってリラックスさせる場面もあった。
そして最大の見せ場は大阪桐蔭戦の8回表に訪れた。大阪桐蔭の一塁走者・岸本真生(3年)がスタート切るやいなや、堀は素早い動作で送球体制に入ると、矢を放ったかのような強肩で盗塁を阻止した。直後の勝ち越し劇へ流れを作ったスーパープレーにはプロのスカウトも評価した。
「(打撃に関しては)甲子園で力んでいた感じはありました。良いところを見せようと思いすぎるとそうなってしまう。でも捕手としては地肩の強さは再確認しました。二塁送球も1.8秒前後でしたし、悪くはない。高校生なので波はありますし、まだ成長過程。これからも様子は見ていきます」(中日・山本将道スカウト)
褒められても“課題”を口にするキャプテン
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一方の本人は、あの送球の話題に触れると少し照れくさそうにしながらかわすと、すぐにチームに目線を向けた。
「あのプレーは……自分の持ち味を出せたと思います。5試合も戦ったのでチームとして強くなったとも思いますが、(大会を通して)全体的にエラーが多かったですし、バッテリーとしてどう最少失点に食い止めていくのか。これからの課題になっていくと思います」
昨秋の公式戦で報徳学園の失策は12試合で8個。従来は堅守を売りとし、1試合平均で失策は1個以下と少ないが、センバツでは5試合で6失策。大舞台で本来のプレーをする難しさも感じた。だが、個人のパフォーマンスが称えられても、全く満足はしていない。
そんな堀の成長について、大角監督はこう明かした。