水沼貴史のNice Middle!BACK NUMBER
三笘薫のドリブルに6万人が「スゲェ〜!」でも「シュート4本は寂しい」森保ジャパン再発進…アピール成功は西村拓真と菅原由勢〈水沼チェック〉
text by
水沼貴史Takashi Mizunuma
photograph byKiichi Matsumoto/JMPA
posted2023/03/27 11:04
6万人の大観衆を魅了した三笘薫。水沼氏は「プレー選択の判断がより洗練されている」と評価した
ウルグアイ戦に関しては、特に後半の三笘は何度も裏のスペースを狙っていましたが、ボールがこなかった。足元で受けるだけでなく、スペースを常に狙っているところも三笘の長所。だからこそ周囲と狙いを共有する作業は必要だと感じました。
周囲との関係性で気になったのは三笘とDFラインの距離が遠かったこと。今季リーグ6得点4アシストをマークしているブライトンでは、センターバックからスルーパスが届くシーンが多々あります。ウルグアイ戦では、その役割を担う左センターバックに抜擢された瀬古歩夢(22歳)の立ち位置がやや深かった。「ブライトンのように」とは言いませんが、パスを配球できる高い位置にポジションを取っても良かったと思います。ラインを上げることは当然リスクはあるし、チームで守備の約束事もあるでしょうが、瀬古はボールを蹴れる選手。次の機会では攻撃参加の部分もアピールしてほしいです。
ファーストタッチでゴール「西村らしい」
W杯のメンバーが持ち味を出そうとした一方、今回の招集メンバーには新しい顔ぶれも名を連ねました。
新戦力で目に見える結果を出したのは、リーグ王者・横浜F・マリノスで欠かせない存在になっている西村拓真(26歳)でした。ファーストタッチでゴールを決めるとは、いかにも西村らしい。海外組が多い中でJリーグで活躍する西村が点を取ったことが嬉しいし、大きな意味があると思います。
西村は鎌田大地(26歳)に代わってトップ下に入りました。鎌田のように“人を使う”イメージがあるポジションですが、西村は“使われるトップ下”。マリノスでやっているポジションとあって違和感なく試合に入れたことも大きかったですね。