水沼貴史のNice Middle!BACK NUMBER
三笘薫のドリブルに6万人が「スゲェ〜!」でも「シュート4本は寂しい」森保ジャパン再発進…アピール成功は西村拓真と菅原由勢〈水沼チェック〉
posted2023/03/27 11:04
text by
水沼貴史Takashi Mizunuma
photograph by
Kiichi Matsumoto/JMPA
国立競技場で行われた新生・森保ジャパンの初陣には6万人以上の大観衆がスタンドを埋め尽くしました。W杯から続く日本代表への期待値を感じることができ、とても良い雰囲気でスタートを切れたと思います。
ただ、試合内容はやや物足りなさを感じるものでした。相手が実力のあるウルグアイだったことをふまえても「シュート4本」は少し寂しい数字でしたね。
W杯で見つかった課題を克服すべく「ボールを握るサッカー」「主体性を持った攻撃」に着手したばかり。サイドバックの立ち位置など、同じシステムの中でも変化は感じさせましたが、なかなかスムーズにボールを前線に運ぶことができなかった。ドイツで好調の堂安律(24歳)が先発した右サイドで何度かチャンスを作りましたが、あのようないい距離感で何人か絡むシーンを増やして攻撃に厚みを持たせたいところです。
その中でもやはり三笘薫(25歳)の“個”は際立っていましたね。ブライトンでの活躍そのまま、前半早々から長い距離をドリブルで運んだり、絶妙なファーストタッチでスタジアムを沸かせていました。
バルベルデが警戒した三笘のドリブル
最近の三笘を見ていると、自分の能力の使い方をしっかり自覚できているなと感じます。ドリブルで仕掛けるところ、相手にパスを預けるところ、その見極めがさらに洗練された印象です。自信もついてきたのでしょう。
レアル・マドリーの中心選手であるウルグアイ代表のバルベルデが、自陣からドリブルを仕掛けた三笘に誰よりもスプリントして追いかけたシーンが象徴するように、世界から警戒されるレベルの選手になったのだと思います。
そういう意味でも、三笘にもっと前でボールを持たせる機会を増やしたい。長い距離をドリブルさせるよりも、“ラスト20m”のエリアで勝負させた方が特徴を生かせる。そのためのボール回しをしないといけません。