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「日本バスケのためを思って…」八村塁が“再び協会批判”ウラに日本代表への特別な想い「それなら来なくていいと切り捨てるのは簡単」
posted2024/11/26 11:04
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
AFLO SPORT
日本時間11月24日、バスケットボール男子日本代表が、グアムでFIBAアジアカップ2025予選の試合を戦っていたのと同じ頃、八村塁は、ロサンゼルス・レイカーズの本拠地、クリプトドットコム・アリーナで、日本代表に対する思いを語っていた。
その10日前に代表について「日本代表のやり方が、僕としては嬉しくないところがある」とコメントし、協会のやり方や代表ヘッドコーチについて意見したが、今回はそのフォローアップとして行われた囲み取材だった。会見では言い足りなかったこと、十分に説明できなかったことを自分の口から語りたかったようだ。
その中で、八村は改めて協会のやり方を批判し、「そういう方針でいっている日本代表ではプレーしたくありません」と断言した。八村の言い分だけが正しいわけではないが、八村が何を言いたいのかを理解しないことには、前に進むことはできない。改めて、その背景や問題の本質が何なのかを考えてみたい。
食い違うホーバスHC続投の経緯
まず、このタイミングで声をあげた理由について、八村はこのように語った。
「(代表ヘッドコーチのトム・ホーバス契約継続について)誰かが教えてくれるまでは、何も聞いてなかったです。そもそもJBAの中では、(パリ)オリンピックが終わった後に彼との契約は切るという話をしてたので、僕はそういうつもりでずっといたんですけど」
このコメントには驚かされた。ホーバスHCの契約継続発表記者会見で、協会の三屋裕子会長は、パリ五輪の前からホーバス続投を決めていたと言い、ホーバス側の意向もくんでパリ五輪終了後に正式なオファーを出したと語っていた。実際、パリ五輪後に聞こえてきた情報もホーバス続投だった。それがなぜ、八村にはパリ五輪で契約打ち切りと伝わったのだろうか。
あるいは、八村がそう言われたと思い込むようなコミュニケーションミスはどこにあったのだろうか。何にしても、八村にしてみたら、ホーバスHCがアジアカップ予選で日本代表を率いているというのは寝耳に水の出来事だったわけで、それが代表チームや協会に関して公の場で発言するきっかけとなった。
また、ほかにも協会の発言が事実と違うと感じたことが積み重なり、協会への信頼は失われていった。