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体操女子・宮田笙子「懲戒ではなく代表辞退」のナゼ…“喫煙・飲酒”問題で協会が認めた「内部からの情報提供」「今後のサポート」重要な論点
posted2024/07/20 17:01
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
AFLO
パリ五輪開幕を間近に控え、思いがけないことが起きた。体操女子日本代表の宮田笙子が代表を辞退したのである。
7月19日、日本体操協会が記者会見を開き、経緯を説明した。
それによると、7月15日に喫煙に関する情報提供が強化本部に入り、翌日、宮田本人に確認。喫煙の疑いが浮上したことから合宿地のモナコから緊急帰国させて18日に本人をはじめ担当コーチらが同席の上、聞き取りを行ったという。
結果、喫煙だけでなくナショナルトレーニングセンター内のアスリートビレッジでの飲酒も発覚したという。西村賢二専務理事は「喫煙と飲酒はそれぞれ1度だけという説明がありました。信じています」と話している。話し合った末、日本オリンピック委員会(JOC)に対し、辞退を申し出たという。
宮田は19歳。喫煙、飲酒が可能な年齢に達していない。また、日本体操協会の「日本代表選手・役員の行動規範」に対する違反もあり、こうした結論に達した。
未成年に限らず、定められていた「喫煙・飲酒の禁止」
行動規範の該当箇所にはこのように記されている。
「8、日本代表チームとしての活動の場所においては、20歳以上であっても原則的に喫煙は禁止する ※2016年度から数年かけて段階的に全面禁止とする」
「9、日本代表チームとしての活動の場所においては、20歳以上であっても飲酒は禁止とする。ただし、合宿の打ち上げ、大会のフェアウェルパーティー等の場合は監督の許可を得て可能とする」
未成年に限らず、代表として活動しているときの喫煙・飲酒は禁止とされている。