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「選手は全員大卒一年目」来春16年ぶりに活動再開する、日産自動車硬式野球部が目指す理想のチーム作りとは?

posted2024/07/11 11:00

 
「選手は全員大卒一年目」来春16年ぶりに活動再開する、日産自動車硬式野球部が目指す理想のチーム作りとは?<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

第95回都市対抗野球大会西関東予選の解説を務めた、日産自動車硬式野球部監督の伊藤祐樹

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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Yuki Suenaga

うん、これなら日産でやれる

「選手のスカウトは、7割くらい決まっています。いい感じで進んでいます」

 数か月ぶりに顔を合わせた日産自動車野球部監督の伊藤祐樹の声は明るかった。

 昨年12月の「日産野球部復活」発表は野球界に反響を呼んだが、伊藤は、コーチの四之宮洋介とともに、チーム作りに奔走してきた。とりわけ、選手のスカウティングだ。

「四月ようやくリーグ戦が始まり、プレーを見て、うん、これなら日産でやれるという選手に声をかけていきました」

“日産でやれる”とはどういうことか?

「選手としての能力に加えて、キャッチボールやアップなどの準備や、判断力も見ています。立ち上げ初期はチームとしても経験値が少ないので、試合で瞬時の判断を求められることも多い。そういうときに、実戦に即した対応ができる選手を必要とします。投手であれば困った時に自分の引き出しがあって、変化球やアウトコースのまっすぐでストライクが取れるとか、打者では得点圏でほぼ打点を稼ぎ、タダではアウトにならないなど、特徴のある選手がほしい」

引退しても日産社員として

「ミスター日産」と言われた名内野手の伊藤にとって、やはり二遊間がポイントなのか?

「それはそうですが、実は外野手でもいい選手がとれた。そういう意味では、いい選手が集まっているのですごく楽しみですね」

 選手に直接会うのが基本だが、都合がつかない場合は、リモートで面談している。

「自分が社会人になってやりたいこと、目指したいことを持っている選手がいいですね。試合でも例えば走塁一つをとってもプレーにこだわりを持っているとか、野球でも私生活でも何かこだわりがある選手がほしい。選手はいずれ引退して、会社に入るので、仕事に対する姿勢にも通じるでしょう。社業に入っても仕事に対する幅の広がりや質の向上にも繋がってくるはずです」

 伊藤自身、2009年に野球部が休部になってから、生産部門や営業などでサラリーマンとしてキャリアを積んできた。選手を獲得するのは、同時に「日産の社員」を獲得することでもある。その責任も感じている。

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