テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
大谷翔平がエンゼルス旧友マーシュと笑顔…ドジャース仲間は「ショウヘイは英語もスペイン語も話すしね」“テレビに映らない”30歳お祝いボール
posted2024/07/26 17:20
text by
柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph by
Mitchell Leff/Getty Images
7月8日午後10時。ドジャースはもちろん、多くの同業他社がロサンゼルスからフィラデルフィアへの移動を終えた中、私はまだロサンゼルス空港にいた。
経費削減を突き詰めた結果、通常便より半額ほどと安いレッドアイ(深夜便)を選択。誤解のなきように説明すると、会社からプレッシャーを受けているわけではない。交通費が安いに越したことはないだろうという思いに勝手に駆られていたのだ。
西海岸から東海岸への移動となるため、時差は+3時間。到着後、2時間ほどの仮眠を取って、すぐに球場へ向かうタフなスケジュールだった。出張前に掲げた「健康第一、原稿第二」というモットーをいつの間にか忘れていた。後悔の念と、やるしかないという思いを抱き、MLB担当7年目にして初訪問で26球場目となるフィラデルフィアに向かった。
テオスカーに「HRダービー、出るの?」
《7月9日 VSフィリーズ(シチズンズバンク・パーク) ●1-10》
午前8時。初めて訪れたフィラデルフィアはうだるような暑さだった。気温27度ながら、湿度70%。午後には最高気温が36度まで上がる予報だった。ホテルで約2時間の仮眠を取った後に配車アプリUberでフィリーズの本拠地シチズンズバンク・パークへ。目と鼻の先にNBAシクサーズ、NFLイーグルスの本拠地がある。いずれも熱狂的ファンで知られ、スポーツのメッカを感じさせた。
球場に到着するとデーブ・ロバーツ監督が外野手ジェームズ・アウトマンらに手取り足取り、熱心にバントを指導していた。
直近で対戦したダイヤモンドバックスやジャイアンツなど小技を駆使して勝利への執念を見せるチームに刺激を受けたのだろうか。良いバントを決めた時にはロバーツ監督による「グレート!」という叫び声が球場に響き渡った。
練習前のクラブハウスでは、大谷が隣の席の外野手テオスカー・ヘルナンデスに「ホームランダービー(に出るの)?」と笑顔で質問をしていた。この時点では正式発表されていなかったが、テオスカーの出場は決定的になっていたようだ。
大谷の旧友マーシュのグッズ、そして2人の再会
フィリーズに視線を移すと、練習後に向かった本拠地のチームストアの品ぞろえが素晴らしかった。