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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「もちろんカマダもトミヤスもスゴいが…」“ベスト4”モロッコ代表番記者が本音で語る、日本とモロッコの決定的な差「PKは練習するべきだ」
text by
モハメド・アミン・エラムリMohamed Amine Elamri
photograph byGetty Images
posted2022/12/23 11:04
アラブ、アフリカ勢として初のベスト4、モロッコ旋風を巻き起こした。ベスト16の日本代表とモロッコ代表の決定的な差とは?
試合後にワリド・レグラギ監督がそう語ったように、モロッコはPK戦での決着を望んでいたようなところもある。かたや、日本は今大会で初めて先制した後に追いつかれ、おそらくPK戦の準備も万全ではなかったのではないか。次のW杯にむけて、日本はスポットキックの対策と精神面の強化を図るべきだろう。
「もちろんトミヤスもカマダもスゴいが…」
カタールW杯でもあらためてわかったように、やはりこうした大会で最後にモノを言うのは個人能力だ。代表チームでは活動の時間が限られるため、複雑な戦術を完成させることが難しく、最終的にはリオネル・メッシやキリアン・エムバペのような凄まじい実力を持つ選手が勝負を決めることが多い。この2人は別格だとしても、個々の実力を高めるもっとも簡単な方法は、そうした選手がひしめくビッグクラブに加入することだろう。
その意味で、モロッコにはパリ・サンジェルマンでその二人やネイマールたちと共に研鑽を積むアクラフ・ハキミや、チェルシーでメイソン・マウントらと激しい定位置争いをしているハキム・ジエシュ、今季加入したバイエルンで左のアルフォンソ・デイビスと強力な両SBを形成するヌサイル・マズラウィなど、真のトップクラブに所属する選手が複数いる。
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一方、日本にはそれらと同格のクラブに在籍している選手がほとんどいない。冨安健洋が所属するアーセナルは今季のチャンピオンズリーグに参戦していないし、鎌田大地が在籍するフランクフルトはチャンピオンズリーグの決勝トーナメントに進出したが、実績の面で上記3クラブには到底及ばない。
おそらく今大会で目立った選手はステップアップを遂げるはずだ。本当のトップレベルを日常的に感じられる選手が増えれば、技術や戦術、身体の成長だけでなく、大舞台でも動じない精神面の向上が期待できるだろう。
カタール大会でモロッコが、ほとんどの試合をホームのような雰囲気で戦えたのも事実だ。それはアフリカ勢として史上初の4強に到達する過程で、とても大きな要素になった。日本も同じ状況で戦っていれば、あるいは目標を達成できたかもしれない。それほどファンの存在は大きいのだ。これも今大会であらためて確認できたことだ。
<前編から続く>