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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「もちろんカマダもトミヤスもスゴいが…」“ベスト4”モロッコ代表番記者が本音で語る、日本とモロッコの決定的な差「PKは練習するべきだ」
posted2022/12/23 11:04
text by
モハメド・アミン・エラムリMohamed Amine Elamri
photograph by
Getty Images
地元モロッコの日刊紙『ル・マタン』の代表チーム番記者で、カタールW杯を現地取材したモハメド・アミン・エラムリ氏がNumber Webに本音で綴る(翻訳:井川洋一)【全2回の2回目/#1へ】。
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日本代表とモロッコ代表にはいくつかの共通点がある。どちらもヴァイッド・ハリルホジッチ監督に率いられた過去を持ち、どちらも(日本は前大会、モロッコは今大会)予選突破後に同胞の監督に代え、成功を収めている(日本は16強、モロッコは4強)。またカタールW杯では、日本がドイツとスペインという歴代優勝国を破り、モロッコはベルギー、スペイン、ポルトガルら強豪を下した。今後、世界中のフットボールファンが今大会を語る時、フレッシュなサプライズを起こしたチームとして、日本とモロッコが思い出されることだろう。
モロッコのメディアは当然、自国代表の躍進を中心に報じたが、日本についても触れている。私が勤務する日刊紙『ル・マタン』でも、初戦のドイツ戦の後には「日本がドイツを下して、サウジアラビアに続く今大会2度目のアップセットを起こした」と報道。決勝トーナメント1回戦のクロアチア戦後はスポーツサイト『Hesport.com』が詳報し、「日本が主導権を握っていた43分に前田大然が先制。(中略)だが最後は前回準優勝国に勝利の女神が微笑んだ」と記した。
どちらもこれまでの最高成績は16強だったが、モロッコはそれを遂げた1986年大会から4度目の挑戦で壁を突破して、さらにもうひとつ上のベスト4に到達。一方の日本は、自国開催の2002年大会にベスト16となってから、以降の5大会に連続出場しているが、今回もベスト8には届かなかった。
「日本はPKの準備ができていなかったのでは?」
今大会を現地で取材した者として、あくまで個人的な見解ではあるが、両チームを比較して、日本代表がさらに発展を遂げるために必要なことを考えてみたい。
まずはなにより、勝負どころの精神面のタフネスが不足しているように感じた。日本もモロッコも決勝トーナメント1回戦でPK戦を迎えたが、延長後半戦が終わった時の心理状態は大きく違ったと思える。日本代表の選手たちは見るからに重圧を感じているようで、クロアチアのGKドミニク・リバコビッチに4本中3本を止められたが、モロッコは初の8強入りを目前にしても冷静さを失わず、4本中3本を成功。特に最後のキッカーとなったアシュラフ・ハキミは、横に飛んだ相手GKを嘲笑うかのようなパネンカ(チップキックでPKを決めること)を沈め、無邪気に踊り出した。
「スペインからボールを奪うのは難しいので、ポゼッションは諦めた。120分間にわたって相手のパスコースの多くを消し、勝負はPK戦に委ねられた。うちには素晴らしいGK(ヤシン・ボノ)がいるので、勝機は高かった」