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キレたサポーターが絶叫「ハリルやめろ!」“ベスト4”モロッコ代表番記者が明かす、半年前の侵入事件「なぜハリル解任というギャンブルに勝てた?」
posted2022/12/23 11:03
text by
モハメド・アミン・エラムリMohamed Amine Elamri
photograph by
Getty Images
地元モロッコの日刊紙『ル・マタン』の代表チーム番記者で、カタールW杯を現地取材したモハメド・アミン・エラムリ氏がNumber Webに本音で綴る(翻訳:井川洋一)【全2回の1回目/#2へ】。
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3位決定戦でクロアチアに1-2と敗れ、惜しくも銅メダルは手にできなかったが、モロッコの大躍進はカタールW杯のハイライトのひとつだった。決勝トーナメント1回戦で歴代優勝国スペインをPK戦の末に破り、モロッコ初、そしてアラブ勢としても初の8強に進出すると、準々決勝ではポルトガルを0-1で下してアフリカ勢初のベスト4に進出。準決勝では王者フランスに0-2で敗れたものの、ワリド・レグラギ監督が率いたモロッコの大躍進は今後、この大会が語られる際に必ず触れられるはずだ。
モロッコ代表は同胞だけでなく、アフリカ大陸やアラブ世界の人々にも、誇りを感じさせた。ただしアトラスの獅子たち(モロッコ代表の愛称)を予選から観続けてきた者は、期待だけでなく、不安も抱えていた。なぜなら、このチームは本大会開幕のおよそ3カ月前に、監督を変更していたのだ。それをギャンブルと捉えていたひとも少なからずいた──。
追放された最大のスター選手
「ジエシュ! ジエシュ! ジエシュ!」
2022年3月29日、カサブランカのスタッド・モハメド・サンクでは、モロッコがW杯最終予選第2戦でコンゴ民主共和国を4-1(2試合合計5-2)で下してW杯出場権を獲得したにもかかわらず、ホームのサポーターはヴァイッド・ハリルホジッチ監督(当時)へ不満をぶつけていた。モロッコ最大のスター選手であるハキム・ジエシュを放逐していた指揮官に自分たちの望みを訴えるように、左利きのテクニシャンの名を叫んでいたのだ。
これを読んでいる方なら知っているかもしれないが、かつて日本代表を率いたハリルホジッチ監督は有能な指導者である一方、自らの信念に合わない物事は一切受け入れない人物だ。2019年8月にモロッコ代表監督に就任してから、不安定だった守備陣を立て直し、W杯2次予選を全勝突破に導き、最終予選でも文句なしの結果をもたらしている。ただしその間に、ジエシュが怪我をしているふりをして代表戦に出場したがらないとか、減量に応じないなどと訴え、2021年6月の親善試合を最後に代表から締め出していた。
キレたサポーターの“侵入事件”
これに対して、ジエシュはSNSで「次に話す時は、真実を語ってくれ!」とハリルホジッチの言い分が偽りであることを主張。