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田中碧「力不足だからやるしか」、久保建英「爪痕を残さないと生き残れない」…日本代表はどんな“青春時代”を過ごしたか
posted2022/12/16 17:46
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Kiichi Matsumoto/JMPA
<名言1>
プロ入りして2年間、フロンターレでほとんど試合に出られなかったですけど、その間はベンチ外が多かったので。力不足だからやるしかなかった。
(田中碧/Number1050号 2022年5月6日発売)
◇解説◇
カタールW杯、日本代表2度目のジャイアントキリングを成し遂げたスペイン戦で、ヒーローとなったのは田中碧だった。幼少期に「さぎぬまSC」でともに戦った三笘薫のギリギリの折り返しをゴール前で身体ごと押し込むと、VARの末に勝ち越しゴールが認められた。
スペイン自慢のポゼッションを必死に防ぎつつ、ゴールを陥れる。自陣から敵陣まで広範囲にわたるプレースタイルは「ボックス・トゥ・ボックス」とサッカー界で称されるが、それを体現するかのようなプレーで勝利に貢献した。
田中碧はフロンターレの下部組織時代に10番を背負い、2016年の全日本クラブユース選手権では当時15歳の久保建英(FC東京U-18)と戦ったこともある。
その成長を認められて2017年にトップ昇格を果たした一方で、当時からフロンターレの中盤は中村憲剛、大島僚太やエドゥアルド・ネットらJリーグ屈指の陣容を誇り、1年目の公式戦出場はゼロ。ようやくリーグ戦デビューの機会が訪れたのは2年目の9月、北海道コンサドーレ札幌戦だった。ただその試合で初ゴールを決めるあたり……いわゆる“持っている”選手だったのかもしれない。
田中は「憲剛さんのことは下部組織の時からずっと見ていました。僕が小学校の時からずっと第一線でプレーされていて、このチームを引っ張ってきている。プレーだけでなくて、人間性の部分からすごく尊敬しています」と語る中村憲剛を間近に見ながら、着実に成長していった。端正な顔立ちの内面に秘めた、しっかりとした芯が田中碧の魅力でもある。
小学校~高校、大学で相馬が愛され、成長した点とは
<名言2>
僕たちは学生主体のサッカーだったので、相手の分析をはじめ多くのことを自分たちで話し合いながら決めていました。
(相馬勇紀/NumberWeb 2020年5月3日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/843368
◇解説◇
田中碧と同じ東京五輪世代で、今大会“サプライズ選出”の1人として上げられたのが相馬だ。本大会出場はコスタリカ戦の1試合にとどまり、決定的な仕事をこなすことはできなかった。