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JのMVP、代表で目立つ大卒の好選手。
相馬勇紀&外池監督に聞いた濃密さ。
posted2020/05/03 11:30
text by
森迫雄介Yusuke Morisako
photograph by
Kanae Ishiguro
JリーグMVP受賞者を振り返ってみると――ここ数年、面白い傾向が浮かび上がってきた。
昨季JリーグMVPに輝いたのは、横浜F・マリノスを15年ぶりのリーグ制覇に導いた仲川輝人(専修大)。そして直近4年間のJリーグMVPでも、'16年は中村憲剛(中央大→川崎フロンターレ)、'17年は小林悠(拓殖大→川崎)と、大卒選手の割合が格段に高まっている。
ちなみに2015年までの受賞者のほとんどは外国籍選手と高卒選手で占められており、大卒選手は'98年の中山雅史と'01年の藤田俊哉(ともに筑波大→ジュビロ磐田など)の2人のみだ。
同世代が見た大学サッカーの意義。
第一線で活躍している大卒選手も増えている。
特にイタリアの名門インテルで長く活躍した長友佑都(ガラタサライ)は、大卒選手のアイコン的存在だ。明大サッカー部時代に中盤からサイドバックへコンバートされたことをきっかけにブレークし、Jリーグ、日本代表、そして海外移籍と順調にステップアップを果たした。
また現役慶大生Jリーガーとして話題になった武藤嘉紀(ニューカッスル)はFC東京U-18を卒団する際、トップ昇格の打診を断って大学サッカーへ身を投じている。
Jリーグにも田中駿汰(大阪体育大→札幌)や三笘薫(筑波大→川崎)など、大学在学時から五輪世代の代表に名を連ねていた有望株が数多くいる。
近年では、高卒プロ入りと天秤にかけ、あえて大学進学を選ぶ選手も増えつつある。メリット、と一口に言ってしまうと味気ないが、大学サッカーで18歳から22歳の青年たちが得られるものは何なのか。これまで大学サッカーを取材してきた同じ大学生世代の1人として、改めて見つめ直してみたいと思う。