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「ドイツには“エンドウ”がいなかった」失意の強国ドイツで始まった“妥協なき敗因分析”「反骨精神が必要?」「FIFAへの抗議は…」 

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中野吉之伴

中野吉之伴Kichinosuke Nakano

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posted2022/12/04 17:02

「ドイツには“エンドウ”がいなかった」失意の強国ドイツで始まった“妥協なき敗因分析”「反骨精神が必要?」「FIFAへの抗議は…」<Number Web> photograph by Getty Images

2014年W杯優勝国ながら、前回大会に続き2大会連続のグループステージ敗退となったドイツ。代表をめぐる“11人”の意見を聞いていくと…

ケディラ「日本代表は遠藤航がドイツの攻撃を遮断していた」

 そうした視点はとても大切だし、分析をするうえでは欠かすことができないことだ。そして、サッカーの試合ではいつでも自分達の狙い通りに攻撃も守備もできるとは限らない。ずれが生じる瞬間は絶対にある。そうした瞬間に相手に自由な攻撃をさせないための選手がいたのか。そのための役割を担っていた選手がいたのか。

 日本戦後に元ドイツ代表MFセミ・ケディラがそうした選手の欠如を批判していたことが多くを物語っている。

「今回のノミネート選手の中には守備的な中盤選手が欠けている。ハンジ・フリック監督は全ての可能性をカバーできる選手層だと言っていたが、今日(日本戦)は無失点で終えなければならない試合だった。多くの才能豊かな選手がいるが、誰も相手ボールに対してプレッシャーをかけられていない。ロングボールから失点というのはまさにそのシンボルのようなシーンだった」

 そしてケディラは1人の日本代表選手の名をあげていた。

「日本代表は遠藤航がドイツの攻撃を遮断し、中盤を思うように支配していた」

サッカー協会会長は「徹底的に、妥協のない分析をする」

 代表チームはクラブチームとは違う。クラブだったら自分のチームに欠けているクオリティを他から補強することができる。でも代表ではできない。優れた選手という定義を何をもってするのか。ボールを奪うことに長けた選手はドイツにもいるはず。相手の攻撃を跳ね返すことが得意な選手だっているのだ。

 スペインとの一戦がとてもハイレベルな試合だったのは間違いない。日本戦、コスタリカ戦でも相手を圧倒する時間が長かった。ドイツにクオリティがないわけではない。勝ち残っていてもおかしくない。だが、W杯という少しの油断やミスが試合の大局を決める大会では、試合における優先順位だって変わってくるし、そのための選手だって大事になる。

 この教訓をこれからのドイツサッカーにどう生かすのか。サッカー協会会長ベルント・ノイエンドルフは「徹底的に、妥協のない分析をする」との言葉を残している。24年自国開催となる欧州選手権で生まれ変わった姿を見せてほしいと願うばかりだ。

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