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フリック監督「日本戦は過去のこと」スペインに1-1、ドイツは“大激戦”をどう捉えたか「失点のきっかけはブスケッツ」「“ジョーカー”のモラタが…」
posted2022/12/01 11:03
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph by
Kazuo Fukuchi/JMPA
地獄から天国というほど状況が好転したわけではないが、少なくとも扉をこじ開けられる可能性が見えたことで、気持ちの面で相当な追い風になったのは間違いない。
ワールドカップ、グループリーグE組第2戦、コスタリカの堅守を打ち砕けずに、まさかの敗戦を喫した日本の結果を受けて、ドイツ代表の面々はスペイン戦を前に確かな希望を見出したはずだ。ハンジ・フリック監督は「我々にとって予定よりも少し早く決勝トーナメントが始まったと解釈している。ここからの2試合に勝利して勝ち残っていく」と覚悟を口にしていた。難しい状況なのは変わらないが、優勝候補の一角にも数えられているスペインを相手に「勝たなければならない」のと、「あわよくば勝利、引き分けでも悪くはない」というのでは大分違う。
ドイツはギュンドアンをトップ下に配置
ドイツは日本戦から2つのポジションを変更。テオ・ケーラーが右SB、日本戦で右SBに入っていたニクラス・ズーレがCBへ。ボランチではヨシュア・キミッヒとレオン・ゴレツカのバイエルンコンビが起用され、日本戦でボランチを務めたイルカイ・ギュンドアンはトップ下の位置でスペインのキープレーヤーであるセルヒオ・ブスケッツの“門番”の役割を担った。
日本戦ではドイツがボールを運んで、日本がカウンターを仕掛ける構図だったが、スペイン戦では逆になる。ボールを支配し、巧みにスペースを攻略するスペインに対して、ドイツはセンターの守備を注意深くケアしながら、積極的にマンマークのプレスでボールを奪い、カウンターからゴールに迫るシーンをいくつか作り出していた。
0-0で折り返したハーフタイムにはテレビスタジオで14年W杯優勝メンバーのペル・メルテスアッカーとクリストフ・クラマーの2人が前半を分析していく。