サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
ドイツ実況が思わず「ありえない!」“W杯4度優勝”ドイツは衝撃的敗戦をどう受け止めた? 元主将シュバインシュタイガーは痛烈批判「ひどい守備のミス」
posted2022/11/26 17:03
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph by
Koki Nagahama/JMPA
ドイツはこの試合に向け警戒心は確かにあった
日本がドイツに勝った。それもワールドカップで。
過去4度世界王者に輝いているドイツは、18年ロシア大会でグループリーグ敗退という屈辱からの覇権奪還にむけて相当意気込んでいた。前大会では初戦でメキシコに徹底的に研究され、いいところを出せないまま負けてしまったこともあり、この日本戦に向けての警戒心は確かにあったはず。実際に立ち上がりからドイツがみせたパフォーマンスには真剣にこの試合へ挑もうとする気持ちが感じられた。そんなドイツに対してリードを許しながらの逆転勝ちをしたのだから、驚きを通り越して戸惑いさえ感じるほどの快挙だろう。
試合前、中継を行うドイツのテレビ局のスタジオでは、日本戦への展望が語られていた。元ドイツ代表で2014年ブラジルワールドカップ優勝メンバーのサミ・ケディラ、元ドイツ代表トーマス・ヒッツルスペルガー、元女子ドイツ代表GKアルムート・シュルトは「日本は技術的にも戦術的にも非常に優れた選手をそろえたチーム。走力があり、規律正しいプレーができる。ボールを奪った後の鋭い攻撃は彼らの特徴であり、気をつけなければならない」と一様に評価しながら、「ただ」という言葉でそれぞれ日本の弱点を指摘していく。
解説者が口々に語った日本の弱点
ケディラ「セットプレーにおける弱さはかなり顕著だ。それなのにペナルティエリア付近でセットプレーを与えてしまう。ボールを持った時のプレーはいいが、相手がボールを持っている時の動きには弱点がある」
シュルト「GKの問題がある。ハイボール処理に難があるし、ボールをこぼしてしまう。今日の試合でもいくつかそういうシーンがあると思うので、こぼれ球を狙っていけば1~2点は取れる」
ヒッツルスペルガー「決定力のあるFWがいない点もあげられる。おそらくそこまで危険なシーンは作れないはず」
日本のペナルティエリア付近へボールを運び、相手に脅威を与えながら、FKやCKのセットプレーを獲得する。セットプレー時には長身CBアントニオ・リュディガーやニコラス・ズーレなどが上がってゴールを狙う。ミドルシュートからゴールを脅かし、こぼれ球からチャンスにつなげる。センターの守備を固くして、最後のところでシュートまで持ち込ませない。
試合開始40分前に指摘されていたドイツの不安点
これがドイツサイドからの試合に向けたイメージだった。よほどのことがない限り失点はしないし、得点は決められるというのが彼らの総評だった。