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「ドイツは自業自得だね」「今日から日本のファンだ」英雄ブッフバルトが森保ジャパンにエール!堂安律を賞賛「大きなことを言ってもいい」
posted2022/12/03 17:01
text by
円賀貴子Takako Maruga
photograph by
Kiichi Matsumoto/JMPA
――ドイツの早期敗退が決まりました。一夜明けて、もう消化できましたか?
ギド・ブッフバルト(以下、敬称略) うーん……そうかな(苦笑)。まあ、敗退が決まったのは昨日ではなく、もっと前だったね。初戦で日本に負けて、昨日のコスタリカ戦だけでなく、スペイン戦でもチームの出来はこの組を突破するに十分でなかった。コスタリカに4、5回も得点チャンスを許してしまうんだからね。
コスタリカはスペインに0-7で負けていたし、日本戦だって(コスタリカは)勝利したけどシュートは1本しか打っていない。なのにドイツはシュートチャンスを与えすぎたし、実際に2失点も喫した。それは今のドイツ代表の守備が、W杯で勝ち進むに値しないことを示している。私は本当にがっかりしている。
大きな大会で早期敗退するのはこれでもう3回連続なんだ(18年ロシアW杯、16強止まりで終わった21年EURO)。ドイツのようなサッカー国家にとってこれは本当に痛い。
――第2戦では初戦でドイツに勝った日本がコスタリカに0-1で敗れました。ドイツがスペインと1-1で引き分けた時点では、グループリーグを突破するように思われましたか?
ギド そうだね。でもスペイン戦での献身的なパフォーマンスを見ると、日本は突破するに値すると思う。スペイン戦での勝利は決して不当なものではない。ドイツはコスタリカに勝利さえすれば16強入りできると思っていたかもしれないが、その計算を日本が見事に“台無し”にした。
私にとって何よりもがっかりだったのは――コスタリカに6-0、7-0、8-0で勝つことが可能だったかどうかは別として――先制してからすぐに追加点を奪えなかったことだ。あれだけたくさんチャンスがあったのに2点目、3点目、4点目を決められなかった(結果は4-2で勝利)。早い時間帯で追加点が取れていたら、スペインや日本にプレッシャーをかけることができただろう。だからドイツは自業自得だね。
コスタリカを無失点に抑えられないなんて!
――追加点を奪えなかったことに対する批判は、日本に敗れた後にも出ていましたね。
ギド 得点チャンスを生かせないなら、せめて無失点で試合を終わらせたい。それができる状態にないんだ、今のチームは。ドイツ代表としてだよ! コスタリカを相手に1-0で終わらせることができない。日本戦でも90分にわたる守備のコンセプトがなかった。それが今のドイツの問題だと思う。
――守備の問題のことは近年、指摘されていました。ブッフバルトさんの現役時代は守備が強みでした。
ギド そう、そう。私の時代の前からずっとそうだった。ドイツ代表はゴールキーパーやディフェンダーに関して全く問題がなかった。問題はどちらかというと、クリエイティブ部門に選択肢があまりないことだった。守備にはいつもいい選手がいたし、選択肢もたくさんあって、これだけ失点の多い、これだけ失点0で抑えられないドイツは思い出せないくらいだよ。攻撃のこと、プレスをかけることばかり考えて、最後まで守備に集中できない。それはドイツが将来変えていかなければならないことだと思う。
――ディフェンスラインを毎試合変えていましたよね?
ギド オートマティズムがなかった。いつもメンバーを変えていたし、慣れることができなかった。W杯前にはテストマッチが1試合しかなかったのだから(対オマーン)。監督も選手を試していたし、守備の軸になる固定メンバーというのは決して存在していなかった。