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「ここに大迫勇也がいれば…」コスタリカ戦、無得点に終わった“3つの理由”「“早すぎた”浅野投入」「鎌田になぜこだわった?」
posted2022/11/28 17:27
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
Takuya Sugiyama/JMPA
ドイツ戦で見せた勇猛果敢な攻撃とアグレッシブな守備は、どこに行ったのだろうか。
おそらくコスタリカ戦を見ている多くのファン、サポーターは、そう思っていたに違いない。強豪ドイツに勝ったからといってコスタリカに余裕で勝てるとは思わないが、逆転勝ちした後半を思い出すと攻守ともに物足りなさを感じてしまった。
ドイツ戦2得点からなぜ不発に?
もっとやれたのではないか――。
コスタリカは、初戦のスペイン戦で0-7の大敗を喫し、国内外からかなり厳しい追及を受けていた。前日の記者会見も監督ががんとして勝つとは言わず、一部メディアとやり合い、騒然とした雰囲気になった。こうした空気を選手も感じ取っていたのだろう。日本戦では、スペイン戦のようにW杯で迷子になったような気弱さは消え、団結していた。頑強な守備ブロックを敷き、全体をコンパクトに保ち、球際は特に厳しくガツガツと奪いにきた。
「自分たちもそこで前に強くいかないといけなかった」
吉田麻也は、そういったが、細かいところひとつひとつ取って考えるとコスタリカの強さが目立ち、相手の守備にハマった感があった。
ただ、相手が引いて守備のブロックを敷き、カウンター狙いという戦いはアジアW杯最終予選で散々経験してきたし、前日の記者会見でもそうくるだろうと吉田を始め、多くの選手は言及し、準備してきたはずだ。にも、かかわらず、攻めあぐね、1点も取れずに惜敗し、初戦のドイツ戦の勝利を有意義なものにすることができなかった。
ドイツ戦で流れの中から堂安律が決め、浅野拓磨が裏で受けて駆け抜け、スーパーゴールを決めた攻撃陣は今回、なぜ不発に終わってしまったのか。