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ドラフト「本当の豊作年」ベスト20…イチローの1991年&松坂大輔の1998年が3位タイ、ではトップ2は?《ドラフト年×全選手成績で順位化》

posted2022/10/20 11:23

 
ドラフト「本当の豊作年」ベスト20…イチローの1991年&松坂大輔の1998年が3位タイ、ではトップ2は?《ドラフト年×全選手成績で順位化》<Number Web> photograph by JIJI PRESS

長嶋茂雄監督がドラフト1位で引き当てた松井秀喜。レジェンド擁する1992年ドラフトの代は何位に?

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岡野誠

岡野誠Makoto Okano

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〈各球団のスカウトからは「1位候補12人がそろわない」という声も上がる〉(10月8日・日刊スポーツ)と“不作”を囁かれていた今年のドラフト会議。前評判が芳しくない場合、実際に好成績を残す選手は少ないのだろうか。そこで、ドラフトがはじまった1965年以降の全入団選手の成績を調べ、“本当の豊作年・不作年”をランキング化。#1では「豊作年ベスト20」を発表する。(全2回の#1/#2へ)※敬称略、名前(入団後に変更のケース多数)や所属球団はドラフト当時。成績は2022年シーズン終了現在

 ◆◆◆

 野茂英雄や佐々木主浩などのメジャーリーガー、古田敦也や前田智徳という名球会選手を生み出した1989年、ドラフトの前評判は決して高くなかった。

〈「近年にない不作」と各球団スカウトからのボヤキ節が聞こえてくる’89ドラフト事情〉(1989年11月27日号『週刊ベースボール』)

 特集自体は〈野茂、元木だけじゃない。「不作」の前評判だからこそ隠れた逸材に注目だ!!〉とポジティブな記事だったが、意外にも“不作”を謳われていたのだ。

 “不作”の下馬評を見事に覆した代表的な例の1989年は一体、何位にランクインしているのか。昨年までのドラフト会議57年間のうち、国内FA取得に要する8シーズンを過ぎた2014年までの50年間を対象にしてランキング化しよう(2015年以降についても #2 で言及)。

50年間のドラフトを検証…ランキングの「基準」

 このような順位を作る際、どこに成績の基準を置くかが最も難しい。今回は以下のような線引きにした。

【投手】

S評価…各部門の歴代ベスト15 200勝 250セーブ

A評価…500登板 100勝 120セーブ タイトル獲得4年

B評価…250登板  50勝  60セーブ タイトル獲得2~3年

【打者】

S評価…各部門の歴代ベスト15  2000本安打

A評価…1800試合 1500安打 200本塁打 タイトル獲得4年

B評価…900試合 750安打 100本塁打 タイトル獲得2~3年

※数字は全て以上。その評価のいずれかに該当すれば、ランクイン。タイトルは回数ではなく、獲得年数で数える。多数の文献に当たる中で『ドラフト50年の物語』(竹書房/2014年刊)の基準が最も納得感が高かったため、同書を参考にアレンジを加えた。

☆タイトル

打者:打率、安打、ホームラン、打点、盗塁、出塁率

投手:防御率、勝利、中継ぎ投手賞、セーブ、奪三振、勝率、沢村賞

共通:MVP、新人王、ベストナイン、ゴールデン・グラブ賞

※現在NPBで表彰対象の部門に絞った。試合数(打者)、登板数(投手)、上記のタイトルの通算記録ベスト15 (1974年新設のセーブはベスト10、1996年新設のホールドはベスト5)はS評価。打率は4000打数以上、防御率、勝率は2000投球回以上を対象とする。出塁率は1985年から計算方法が変わったため、通算記録は「塁打」で調査した。最多セーブはかつての最優秀救援投手、ゴールデン・グラブ賞はかつてのダイヤモンドグラブ賞。共通の4項目、沢村賞は2021年まで。

【次ページ】 21~25位…06年「マー君世代」がランクイン

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