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プロ野球PRESSBACK NUMBER
ドラフト「本当の豊作年」ベスト20…イチローの1991年&松坂大輔の1998年が3位タイ、ではトップ2は?《ドラフト年×全選手成績で順位化》
text by
岡野誠Makoto Okano
photograph byJIJI PRESS
posted2022/10/20 11:23
長嶋茂雄監督がドラフト1位で引き当てた松井秀喜。レジェンド擁する1992年ドラフトの代は何位に?
S評価は300点、A評価は200点、B評価は100点として点数を付け、ドラフト50年分の順位を決める。プロ野球の歴史を語る上で欠かせない人材を輩出したドラフト外や育成選手も含め、記録は日米合算とする。
わかりやすく分類すれば、Sは一握りの“レジェンド”、Aは各項目3%以内の“超一流”になる。BはAの半分の数字にして“一流”だけでなく、“いぶし銀”と呼ばれた選手も拾えるようにした。
21~25位…06年「マー君世代」がランクイン
1965年から2014年までのドラフト「本当の豊作年ベスト20」を発表する前に、半分より少し上の21~25位を見てみよう(横から順位、年、各評価の人数、得点、主な選手/同点の場合、(1)SとAの合計点の高い年 (2)Sの得点の高い年 で順位を決める)。
【ドラフト「本当の豊作年・不作年」ランキング21~25位】
21位:1970年 S:1人 A:6人 B:9人 2400点 若松勉、今井雄太郎、江本孟紀
22位:1978年 S:2人 A:4人 B:10人 2400点 落合博満、鹿取義隆、江川卓
23位:2006年 S:3人 A:2人 B:11人 2400点 田中将大、坂本勇人、浅尾拓也
24位:2004年 S:1人 A:5人 B:11人 2400点 ダルビッシュ有、金子千尋
25位:2000年 S:3人 A:1人 B:13人 2400点 赤星憲広、内川聖一、阿部慎之助
最も注目を集めたドラフトは、江川卓が『空白の1日』を利用して巨人入りを画策した1978年だろう。この年から各チームの指名人数は6名から4名に減ったため、ドラフト経由の入団選手は40名しかいなかった。その分、指名漏れに逸材が残っていた。江川の入団が認められず、会議をボイコットした巨人はドラフト外で10名を獲得。そのうち7名は一軍出場なしに終わったが、鹿取義隆がリリーフとして八面六臂に働き、755登板で歴代ベスト15入り。他球団でもベストナイン5回で通算1904安打の松永浩美(阪急)、6度の2ケタ勝利で通算112勝の松沼博久(西武)がA評価に。ドラフト指名とドラフト外の選手が半分ずつの得点を叩き出す珍しい年となった。
『ハンカチ世代』とも『マー君世代』とも呼ばれる1988年生まれが高校3年生の2006年は、日米合算の奪三振数と勝率で歴代ベスト15に入った田中将大(楽天)、既に名球会入りの坂本勇人(巨人)、大学経由で歴代ホールド3位の浅尾拓也(中日)がS評価に。ただ、大学・社会人の希望枠で入団した選手のA評価は岸孝之(西武)、B評価は大隣憲司(ソフトバンク)に留まった。一瞬の煌めきを見せた小松聖(オリックス)や金刃憲人(巨人)などが長期に渡って活躍すれば、もう少し順位を上げただろう。
ここから、「本当の豊作年ベスト20」を発表していく。