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「日本代表が戦う姿はカッコいい」平成の怪物にして日本のエース・松坂大輔が憧れたキャプ翼と日の丸ユニフォーム 

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2022/10/21 11:00

「日本代表が戦う姿はカッコいい」平成の怪物にして日本のエース・松坂大輔が憧れたキャプ翼と日の丸ユニフォーム<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

――それだけの厳しい練習をしてきたことが勝ち続ける間の支えになっていたんですね。

松坂 もちろん打ちたい、抑えたいという気持ちはありましたが、何が何でも勝とう、勝たなきゃならない、みたいな気持ちがなかったから、逆に結果が出ていたのかもしれません。僕、試合の途中から試合後の練習のことを考えていたんです。そっちのほうが圧倒的にストレスだったので(苦笑)、それが試合を楽に感じさせてくれていたんでしょうね。

若くして代表を背負うということ

――今の日本代表の中でキーマンは誰になると思いますか。

松坂 誰が日本代表の中で圧倒的なパフォーマンスを見せないと厳しくなるのか……そこはむしろ僕が訊きたいくらいです(笑)。でも、やっぱり久保建英選手が活躍すればブレイクするんでしょうね。久保選手は小さい頃からみんなが知っている選手ですし、いつかは日本代表の中心的存在になると思って応援してきた人も多いと思います。ついにそういうタイミングが来たのかと思う反面、まだ21歳ですから、久保選手にそこまで背負わせていいのかなという気持ちもあります。

――シドニー五輪では20歳で日本代表を背負わされていたじゃないですか。

松坂 いやいや、まあ、そうだったかな(笑)。だから久保選手が背負うことになっても僕はいいと思うんですけど、でも、もしそうなるならサポートする周りの先輩方の存在が大事になってくると思います。僕も当時は杉浦正則さん(日本生命)や黒木知宏さん(ロッテ)、他にもいろんな先輩たちに支えてもらいましたから……。

――今回のW杯ではポルトガルのクリスティアーノ・ロナウドとアルゼンチンのリオネル・メッシという、世界のサッカーを引っ張ってきた2人が最後の大舞台になるのではないかと言われています。彼らに期待するところというのはいかがでしょう。

松坂 ロナウドとメッシがどんなサッカーを見せてくれるのか、僕もすごく楽しみにしています。今までのW杯では、彼らの本来の姿からすれば、そこまで圧倒的な力を見せつけてはいないと思うんです。だから、もし本当に今回が最後のW杯になるのなら、強烈なインパクトのあるサッカーを見せて欲しいですね。おいおい、これなら4年後もまだ活躍できるんじゃないかとイメージさせてくれるような、そんな年齢を感じさせないプレーを見たいと思っています。

(構成=石田雄太)

松坂大輔(元プロ野球選手)(まつざか・だいすけ)

1980年9月13日生まれ、東京都出身。横浜高3年の夏の甲子園・決勝戦でノーヒットノーランを達成し春夏連覇。卒業後、西武に入団し、1年目4月の初先発で勝利を挙げるなど「平成の怪物」の異名通りに活躍。07年レッドソックスに移籍、その後メッツ、ソフトバンク、中日などで活躍し、21年限りで引退。WBCでは06年、09年とも3勝を挙げ優勝に貢献した。NPB通算114勝、MLB通算56勝。

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