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「一人でプレッシャーを抱え込むPKのシーンが好き」スポーツクライマー・楢﨑智亜の個人競技ならではのサッカーの見方とは

posted2022/10/17 11:00

 
「一人でプレッシャーを抱え込むPKのシーンが好き」スポーツクライマー・楢﨑智亜の個人競技ならではのサッカーの見方とは<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

体脂肪率は2%前後という驚異的な肉体で、楢﨑選手はボール片手に軽やかにホールドを掴んだ

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渋谷編集室 with ABEMA

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Kiichi Matsumoto

 日本のスポーツクライミングの第一人者として活躍し、昨年の東京五輪にも出場した楢﨑智亜選手。全身の筋力はもちろん、臨機応変に対応するための柔軟性も求められる競技と向き合っているエースがサッカーで注目しているのはゴール後の選手のパフォーマンスや体の使い方だ。「観客がいるほど燃えるタイプ」というプロクライマーがもしサッカー選手だったらどのポジションだったのか。W杯の思い出のシーンなどとともに聞いた。

――小さい頃は器械体操をされていましたが、サッカーをしていた時期もあったそうですね。

楢﨑 本格的にやっていたというよりも、みんなで一緒に遊ぶことが好きだったので、クラブの練習に出ていたという程度なんですけどね。そもそも僕は団体スポーツの雰囲気や人にあわせてやることがあまり得意ではないタイプ。今でこそ勝ちに行くような性格ですけど、実際に相手とバチバチとぶつかり合ったり戦うことが苦手だったんですよ。

――遠征などで海外にいることも多いですが、今もサッカーをされたり、見たりすることはありますか。

楢﨑 試合自体をガッツリ見るという感じではなく、SNSで流れてくるニュースなどでいろいろ情報を得るという感じですね。でも、練習場にはサッカーボールを置いているので、クライミングの練習前に遊んだりすることはあります。ほかにも野球のボールやバット、バドミントンのラケットとかを揃えているんですよ。クライミングとはまた違う刺激になっていいですね。いろいろな感覚を体験できるのは面白いです。

――今、注目している選手はいますか?

楢﨑 実は所属事務所にはたくさんサッカー選手が在籍しているんですけど、まだ会ったことがないんです。食事会で一瞬だけ、香川(真司)さんに会った程度で、他の選手とはほぼ関わりがない。原口(元気)さんが趣味かトレーニングかは分からないですけど、ドイツでクライミングしている動画をアップしていたことがあって、今度一緒にやろうという話はしてます。(原口選手のクライミングは)フィジカルが強そうでしたね。いつか一緒にクライミングできたら面白そうです。

気になるのはPKとゴール後のパフォーマンス

――サッカーのW杯で思い出に残っているシーンはありますか。

楢﨑 そんなにたくさん見てるわけじゃないのですが、個人的にはPKのシーンが好きなんですよ。自分が個人スポーツをやっていることもあるんですけど、PKのあの瞬間って、一人でプレッシャーや期待を抱え込みながらボールを蹴るわけじゃないですか。選手はチームの期待を背負いながらあの場に立つと思うので、もう見ているだけでドキドキしてしまいます。

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