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「日本代表が戦う姿はカッコいい」平成の怪物にして日本のエース・松坂大輔が憧れたキャプ翼と日の丸ユニフォーム

posted2022/10/21 11:00

 
「日本代表が戦う姿はカッコいい」平成の怪物にして日本のエース・松坂大輔が憧れたキャプ翼と日の丸ユニフォーム<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

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Kiichi Matsumoto

 横浜高校時代のドラマチックな甲子園春・夏連覇、西武ライオンズ時代に獲得した数々のタイトル、そしてレッドソックスでのワールドシリーズ制覇。記録にも、そして記憶にも残るピッチャー・松坂大輔さん。昨年ユニフォームを脱いだ“平成の怪物”は、幼少期、『キャプテン翼』に憧れ、サッカーボールを追いかける少年だったという。

――松坂さんは小学校のとき、サッカーチームに入りたかったと聞いたことがあります。

松坂 子どもの頃は野球よりもサッカーをやることのほうが多かったんです。壁や地面にチョークでゴールの枠を描いたり、広場を囲うフェンス3つ分をゴールに見立てたりして、近所の友だちと5対5とかのサッカーをしていましたね。だからサッカーチームに入りたかったのに、練習場が家から遠くて親の送り迎えが大変だからという理由であきらめて、近くの野球チームに入ったんです。もしあのときサッカーチームに入っていたら……たぶん、そこそこはやれていたんじゃないですか(笑)。

――野球ではエースで4番の松坂さんです。当然、フォワードとしてシュートを打ちまくっていたんですよね。

松坂 いやいや、フォワードという感じではなかったですね。僕は『キャプテン翼』の大空翼が好きだったんです。翼君って、ストライカーではないですもんね。僕も小学校のサッカー大会ではミッドフィルダーとしてセンタリングを上げるとか、ゴールキーパーになってシュートを止めるとか、そういうポジションが好きでした。積極的に前へ出ていくタイプではなかったので、みんながフォワードをやりたいなら僕は後ろでいいよ、みたいな……そうは言っても、自陣のゴール前からシュートを決めてやるぐらいの気持ちはありましたけどね。できるはずもないのに体育館にマットを敷いてオーバーヘッドキックの練習をしていました(笑)。

日本代表として戦う感動

――なぜ野球マンガではなく、『キャプテン翼』にそんなに惹かれたんでしょう。

松坂 翼君が全国大会で戦ったライバルたちとジュニアユースの日本代表を結成して、ヨーロッパへ遠征するんです。そこでヘルナンデス君がいたイタリア代表、ディアス君のいたアルゼンチン代表、ピエール君のフランス代表を倒して、最後、決勝でシュナイダー君を擁する西ドイツ代表に勝って、ワールドユースで優勝する。子供心に、翼君たちが日本代表として海外のチームと戦っている姿はカッコいいなと思っていました。僕、中学のときに野球の日本代表としてブラジルへ行っているんです。日の丸のついたストライプのユニフォームを着て、試合前に『君が代』を歌って……ものすごく感動したのを覚えています。

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