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「サッカーにまったく興味のない人がこんなに…」中村憲剛が衝撃を受けた“学生たちのナマの声” 「無関心層」を取り込むカギはどこにある?
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byJFA
posted2022/06/19 11:01
母校・中央大学の学生たちの話に耳を傾ける中村憲剛さん。「サッカー無関心層」の本音は想像以上にシビアなものだったという
「選手はもっと色々なところへ出て行っていい」
現役当時の中村さんは、ホームタウンの人々と顔の見える付き合いを重ねていった。サッカーが日常に溶け込んでいくことで、フロンターレというクラブが地域の公共財となり、スタジアムに熱狂の輪が広がっていった。
「選手はもっと色々なところへ出て行っていいのかな、と思います。コロナ禍で活動は制限されがちですが、ピッチ外で社会とつながると人間的に成長できるし、それがプレーにも反映されました。それは僕自身が体感したことです。色々な人たちが自分のプレーを支えてくれている、ということを可視化するのはとても大事です。社会の仕組みを知ることも、一社会人として大事。サッカーをやっているだけでは、そこには気づけません」
低関心層や無関心層に対して、どのようなアプローチが効果的なのか。「その答えが分かれば、すぐにでも取り組むんですけど」と中村さんは苦笑いし、「まずは僕自身の思考を変えないと」と言葉に力をこめる。
「より多くの皆さんにサッカーに興味を持ってもらうためには、現状をしっかりと受け止めて分析して、サッカーの『サ』の字にも触れないところで生活している方々の声を、直接耳にするところから始める。僕自身の凝り固まった考えや目線を変えることが、スタートラインなのだなと」
JFAと中央大学との協働プロジェクトは、全4回のプログラムとなっている。Jリーグ開幕から30年目の節目のシーズンに、新たな発展につながる施策が生まれるのか。次回のワークショップは7月上旬に開催される予定だ。
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