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“暗黒時代のエース”藪恵壹が緊急提言…阪神復活の条件は?「希望のあるデータを紹介します」「日本シリーズ前日に星野監督から…」 

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藪恵壹

藪恵壹Keiichi Yabu

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photograph bySankei Shimbun

posted2022/04/19 06:00

“暗黒時代のエース”藪恵壹が緊急提言…阪神復活の条件は?「希望のあるデータを紹介します」「日本シリーズ前日に星野監督から…」<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

暗黒時代のエース・藪恵壹が緊急提言。阪神復活のポイントとは?

 昨季を振り返ると、足と小技がある近本光司、中野拓夢が並んだ1、2番コンビがいて、クリーンナップのマルテや大山、佐藤に回すという得点パターンが明確でした。その点を踏まえても、主砲の佐藤をあえて2番に置く理由はありません。打線がつながらず、相手に“攻めやすさ”を与えてしまい、得点が生まれにくくなっています。

 私が思うに、1番近本、2番中野は流動的に動かしながらも、3番に佐藤、4番に大山が並ぶ形がいいのかなと。あとは9番に小幡竜平を配置するのも面白いですね。セカンドの守備の上手さはもちろん、俊足巧打も武器。9~2番でチャンスメイクできるという打線も魅力です。昨季、阪神の盗塁数はリーグでダントツ(114)だったわけですし、足を絡めた戦い方を今こそ見せるべきだと思います。

2)リリーフは8回湯浅、9回岩崎で固定

 率直なところ、今シーズンは行きあたりばったりな采配・決断が目立ちます。その最たる例が、昨年から言われていた「守護神スアレスの穴をどう埋めるか」という課題への対策でした。

 今シーズンから加入したカイル・ケラーを、開幕戦でほぼぶっつけ本番に近い形、それも1点差の場面でマウンドに上げた判断は最適だったのか。昨季絶対的守護神として君臨したスアレスも、阪神時代の1年目は最初はセットアッパーで活躍し、7月に藤川球児の代役としてクローザーになった。公式戦での“試運転期間”があったわけです。

 にもかかわらず、ケラーに託した決断はあまりにリスクが大きかった。現状のリリーフ陣を見るに、8回(セットアッパー)は湯浅京己、9回(クローザー)は岩崎優で迷うところはないと思います。ある程度固定して、経験と実績を積ませないことには「勝利の方程式」は生まれません。

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