箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
「なぜ青学大はそんなに強いんですか?」箱根5区を走ったOB竹石尚人24歳に聞く“青学大は誰もラクをしない”
posted2022/02/04 11:04
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
KYODO
在学時代に箱根駅伝を走り優勝も経験している青学大OB竹石尚人さん(24)に、強さの秘密について聞いた(全3回の3回目/#1、#2より続く)
今回の箱根駅伝は、青学大の2年ぶり、そして完全優勝で幕を閉じた。往路の3区で首位を奪うと、そのまま一度もトップを奪われることはなく、大手町まで走り抜けた。そのシーンを竹石尚人さんは、夜に自宅のテレビで見た。
「2日とも高校サッカーの初蹴りの取材があったので、夕方6時ぐらいに帰宅して、そこから録画で見ました。今回、優勝はもちろん、2位に10分以上の大差をつけて勝ったことはめちゃくちゃすごいと思うんです。本当に今年の青学は強かったですね」
竹石さんは、チームのいい雰囲気を箱根直前に感じていた。
昨年12月26日、コロナが落ち着いていたので、町田寮の原晋監督に挨拶に行った。その後、飯田貴之主将らとも会い、少し話をした。
「寮内をのぞくとまとまってゲームをして、いい意味でリラックスしていました。しっかりといい練習ができて充実していたからだと思うんですけど、本当に雰囲気が良くて、いい感じなんだなって。結果を見てもその通りですよね」
印象に残ったのは1区「大きなポイントだったと思います」
今回の青学大は、ひとつも二桁順位がなく、まさに“ノーミス”だった。その中で、竹石さんが印象に残ったのは、1区だった。
「1区の志貴(勇斗)君は、すごい実績があるかというと他のメンバーと比較して、突出したものはないと思うんです。それでも区間5位で、前にそれほど離されることなく、2区の近藤(幸太郎)君にタスキを渡せたので、青学大にとってすごくいいスタートが切れました。自分は、1区の志貴君が大きなポイントだったと思います」
青学大は、1区の志貴がトップを独走した中央大の吉居大和(2年)から45秒差だったが、マークすべき駒大とはわずか6秒差だった。例年1区に課題があった青学大だが、志貴が見事にその壁をクリアして、いい流れを作った。