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「なぜ青学大はそんなに強いんですか?」箱根5区を走ったOB竹石尚人24歳に聞く“青学大は誰もラクをしない” 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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posted2022/02/04 11:04

「なぜ青学大はそんなに強いんですか?」箱根5区を走ったOB竹石尚人24歳に聞く“青学大は誰もラクをしない”<Number Web> photograph by KYODO

2018年の総合優勝を報告する原晋監督と竹石尚人さん

「高校から青学大に来て感じたのは、自主性が確立されていることと、陸上に対する高い意識でした」

 青学大は誰もラクをしない。例えば、夏合宿では早く練習が終わっても宿舎にそのまま戻るのではなく、各自がより多くの距離を走ろうとしたり、ペースを早めたりして、自ら自分を追い込むことに率先して取り組んでいるという。

「そこまでやれるのは、陸上に対して振り切れているからだと思いますし、これだけ意識が高い、自主性を持った選手が集まってきたら自然とチームのレベルや組織力も上がりますよね。その上で競争意識がめちゃくちゃ強い。記録会や大会、学内のタイムトライアルでもみんな負けたくないと思って走っています。学生時代はそれが当たり前のことだと思っていましたけど、改めて今年の1年生がこれだけ走れたのは、そういう意識が染みついているからなんだろうなって思います」

 すべての大学の選手が当然、地道に努力を積み重ねている。ただ、青学大の選手たちは、その努力の1歩、2歩先を進んでいるのかもしれない。

 青学大の選手たちは、卒業して他大学の選手と話をした時、自分たちの生活ルールの厳しさや練習のボリューム、質の高さに驚くという。日常的かつ自主的な質の高い練習の上に、レースに向けてのコンディションニグ作り、メンタルトレーニングも積極的に導入している。大学の医科学のサポートを受けるチームもあるが、優れた外部スタッフの協力体制を隙間なく敷いているのは、おそらく青学大ぐらいだろう。

「今回も強かったですが、1年生がすごいので来年も楽しみですね」

 明るく、笑顔でチームを語る竹石さんの表情には、1年前の箱根を消化し、成長してきた跡がうかがえる。タフなOBが育っているのも青学大の強さである。

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箱根駅伝ブレーキから2カ月引きこもり…青学大竹石尚人が“勝利至上主義”から解放された瞬間「とても幸せで有難いことだったのに」

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