「青学って、優勝した時は、10人以外のメンバーがすごく充実しているんです。湯原（慶吾）君は、最後にメンバーに入ったけど走れず、給水でメンバーの力になりました。メンバー外になった渡辺大地君は、年末の学内記録会の1万mで28分台を出す走りをして、レギュラーメンバーに刺激を与えました。そういうところを見ると、走った10人はたしかにすごいけど、チームとしてもすごく充実していたんじゃないかなと思います」

　湯原は区間エントリーでは1区に入っていたが当日変更で志貴と入れ替わった。関口雄大（3年）、宮坂大器（3年）、西久保遼（3年）も当日変更になっている。彼らは、そのまま出走しても結果を出せる実力を持っているが、応援やサポートに回った。

今年の5区を走った若林宏樹（1年）はどうだった？

　往路では、当日変更で出走した志貴や飯田が快走したが、1年生の2人の活躍も目立った。竹石さんが箱根で走った5区は、若林宏樹（1年）が区間3位という素晴らしい走りを見せた。

「若林君は、上りがすごく速いというのは噂に聞いていたんですけど、実際、すごかった（笑）。初めての山で不安があったと思うんですけど、先頭でタスキをもらって期待を裏切らない前評判通りの走りをしました。そもそもあの場面でしっかりと100％の力を出せるのがすごいなって思いましたね。出雲と全日本の時はいまひとつだったところから箱根であれだけの走りですから、チームメイトや原監督の声かけ、サポートがしっかりしていたんだろうなって思います」

5区を走った1年生の若林については「噂に聞いていたんですけど、実際、すごかった（笑）」（竹石さん）　©Yuki Suenaga

初めて5区を見た衝撃「こんなに全力で頑張っているのに…」

　5区を知るからこそ若林の走りの凄さを理解できるのだろうが、竹石さんが5区というコースの現実を理解したのは1年生の時だった。5区の計測を任され、大平台のカーブのところでタイム測定をしていた時、走ってきた選手を見て驚いた。

「レースとは思えないほど選手がもがいて、苦しんで走っているように見えたんです。こんなに全力で頑張っていてもスピードに乗れない。5区って、こんなに厳しい所なのかって思いましたね」

　その1年後、竹石さんは5区を任されることになるが、山の攻略プランはあったのだろうか。

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