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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
箱根駅伝「強豪校こそ区間配置が難しい?」「往路優勝が総合優勝には必要」青学、駒澤…有力校の戦力を徹底分析する
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byAFLO
posted2021/12/26 11:03
来年1月2、3に開催予定の箱根駅伝。98回大会の総合優勝はどの大学が掴み取るのか
エントリー選手上位10名の平均タイムを30秒も短縮
昨季は往路優勝だけではなく、9区まで首位を走り、伝統校や強豪校の「復路で止まる」という読みまで覆してみせた。最終的にアンカーのブレーキで残り2キロで駒大に逆転されたが、総合優勝の尻尾は見えていたはずだ。今季は、昨季の自信にプラスして独自の強化で戦力の底上げに成功した。昨季の箱根エントリー選手上位10名の平均タイムが29分05秒だったが、今回は28分35秒と30秒も短縮しており、タイムが成長を証明している。
榎木和貴監督は「往路優勝、総合3位」を目標に掲げている。出雲駅伝は7位だったが、緒方貴典(3年)、新家裕太郎(3年)、桑田大輔(2年)ら新戦力を試し、まずまずの走りを見せた。3人は11月末の東海大記録に参加、桑田は28分38秒46の好タイムをマーク、緒方、新家も28分40秒台を出して好調をアピールした。
昨季の往路優勝メンバーは1区以外、健在だ。2区には留学生のフィリップ・ムルワ(3年)が鎮座し、昨年3区だった葛西潤(3年)は今季故障で満足に走れなかったが11月末の東海大記録会10000mで28分43秒40をマークし、完全復活している。4区の嶋津雄大(4年)、5区の三上雄太(4年)の日本人エースもいる。また、昨季6区の濱野将基(3年)が葛西と同じ記録会で28分37秒06を出し、平地区間でも走れる強さをアピールした。全体的に勢いがあり、チームの雰囲気は非常に良い。
最大の懸念は、ブレーキだ。ミスがなければ首位を走れるが、ミスをすれば優勝を逃す。前回、稀有な経験をしているからこそ、榎木監督はゴールまで細心の注意を払っていくだろう。昨季の往路は2位の東洋大に2分14秒差をつけ、余裕をもって復路に臨んだ。今回もレースをリードし、伝統校・強豪校が支配する箱根に風穴をあけたいところだ。
【後編に続く】