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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
風間八宏が見た“サッカー日本代表、不調の原因”「大迫勇也31歳と吉田麻也33歳の“距離”がポイント」「“ポスト大迫”と聞かれても…」
posted2021/12/31 11:07
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph by
AFLO
日本代表はこんなもんじゃない――。サポーターやメディア以上に、選手たち自身が感じていることだろう。
リバプール、アーセナル、サンプドリア、シュツットガルト、ゲンクといったヨーロッパにおけるトップクラブや中堅クラブに所属する選手を擁しながら、日本はW杯予選で2敗を喫し、本大会出場が危ぶまれている。
いったい日本代表の問題はどこにあるのか? それを紐解くのに参考なりそうなのが、発売された『風間八宏の戦術バイブル』(幻冬舎)だ。
「攻撃の良し悪しは、『相手のセンターバックを攻撃できているか』を見ればわかる」
「ビルドアップで大事なのは、相手を囲めているか」
新たな風間語録を連発して、ヨーロッパのトップクラブの戦術、川崎フロンターレや名古屋グランパスのチーム作り、そして現在進行中のセレッソ大阪アカデミーにおける挑戦を解説している。
日本サッカー界に新たな概念を提案し続けてきた指揮官は、今の日本代表をどう見ているのだろう? 風間八宏(60歳)に話を聞いた。
「吉田から大迫までの距離がチームの枠を決める」
――風間さんは著書『風間八宏の戦術バイブル』の中で「センターバックを見れば、次に何が起きるかわかる」といったサッカーの見方について解説していますね。今の日本代表を見るときは、何がポイントになりますか?
「今の日本代表は『距離』に注目するといいと思います」
――距離とは?
「日本代表がリズム良くプレーできているときというのは、『DFからFW』までの距離が短く、いわゆる狭い距離感でプレーできているときだと思います。
一方、リズムが悪いときは、たいてい『DFからFW』までの距離が遠くなってしまっている。
その結果、『DFからMF』と『MFからFW』の距離も開いてしまい、その間でパスを受けられてしまっているという感じです」
――「距離」とは、どこを測ればわかるのでしょう?
「まずは吉田麻也選手から大迫勇也選手までの距離。これがチームとしての枠を決める。
さらに枠の中に目を向けて、吉田選手から遠藤航選手までの距離、遠藤選手から大迫選手までの距離ですね。それらを見ると、プレーの良し悪しの理由がわかると思います」
「狭い距離のとき、日本人の武器が発揮される」
――リズムが良い=狭い距離のプレーということですが、その理由を教えてください。