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風間八宏が見た“サッカー日本代表、不調の原因”「大迫勇也31歳と吉田麻也33歳の“距離”がポイント」「“ポスト大迫”と聞かれても…」 

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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posted2021/12/31 11:07

風間八宏が見た“サッカー日本代表、不調の原因”「大迫勇也31歳と吉田麻也33歳の“距離”がポイント」「“ポスト大迫”と聞かれても…」<Number Web> photograph by AFLO

「センターバック吉田麻也(33歳)とセンターフォワード大迫勇也(31歳)までの距離に注目して欲しい」と風間八宏さんは話す

「たとえば、輪になってパスを回す『ロンド』と呼ばれる練習がありますよね。輪に立つ選手がたくさんいると、内側にいる鬼役はボールを奪うのが難しくなります。それと同じで、ピッチ上で味方が近くに複数いると、パスコースを多く作れます。

 もちろん狭いエリアに人が集まって密集すると、プレー毎に許される時間が短くなり、ボールを止める正確性や、体を操る俊敏性が求められます。まさにそれらは日本人選手の長所ですよね。

 狭い距離でサッカーをできているときは、日本人選手の武器が発揮されやすく、相手の陣形をしっかり崩すことができる。

 そうすると、たとえボールを失っても、相手の陣形をバラバラに壊せているので、相手にとってパスコースが限られており、すぐにボールを奪い返せるんですよ。

 吉田選手から大迫選手までの距離が近いときは、そういうサッカーをできていると思います」

――ではリズムが悪いとき、すなわち遠い距離でプレーしているときは?

「味方同士の距離が離れると、パスコースが限られ、人と人がつながらない状態になる。チームが分断されて、ボール保持者が孤立してしまうんですね。パスを受けてもパスの出しどころが少なく、相手に追い詰められやすい。

 また、相手の陣形を崩せないことが多く、ボールを失うと、危険なカウンターを食らいやすい。後ろが孤立した状態で、相手の攻撃を受けてしまいます」

なぜ“デュエルキング”遠藤航の強さが出ない?

――遠藤選手は昨季のブンデスリーガで1対1の勝利数が最も多い「デュエルキング」でした。その強さがW杯最終予選でなかなか発揮されていない印象があります。なぜでしょう?

「それこそ中盤の距離が離れているからだと思います。吉田選手からの距離、もしくは大迫選手までの距離ですね。

 ただ、どのシステムにもメリットとデメリットがあります。広がることの利点もあるのがサッカーのおもしろさでしょう」

――著書ではピッチを広く使えているチームとして、リバプールをあげていますね。日本代表の場合、広がることの利点は?

「相手も広がるので、サイドに場所が生まれやすくなる。それによって伊東純也選手、浅野拓磨選手、三笘薫選手のようなドリブルが得意なタイプが生きやすくなる」

――確かにこの3人はW杯最終予選で、決定的な仕事をしていますね。

「広がっているので、サイドにドリブルを仕掛けられる場所と時間があるからです。ただ、そこを止められたときは、他の手が必要になることは言うまでもありません。

 三笘選手などは狭いところでのプレーも得意なので、チームとして縦にも横にも近い距離でやると別の良さも出てくると思います。

 一昔前は『守備で狭く、攻撃では広く』と言われましたが、最近は『守備も攻撃も狭く』という考え方が生まれてきている。本にも書きましたが、ナーゲルスマン率いるバイエルンが好例です」

では、どうすれば日本代表の“距離は狭く”できる?

――今の日本代表は縦方向の距離が狭いときもあれば、広いときもあり、それが好不調の波に影響しているということですが、もし常に距離を狭くしたかったら、何を意識すればいいのでしょう?

【次ページ】 どうすれば日本代表の“距離は狭く”できる?

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