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〈箱根駅伝の前哨戦〉全日本大学駅伝を制するのはどこか? 注目すべき「優勝候補5校」と「ダークホース2校」 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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photograph byAsami Enomoto

posted2021/11/06 11:06

〈箱根駅伝の前哨戦〉全日本大学駅伝を制するのはどこか? 注目すべき「優勝候補5校」と「ダークホース2校」<Number Web> photograph by Asami Enomoto

昨年、大エース田澤廉の快走により14回目の優勝を果たした駒澤大学。今年はどうか?

優勝候補4・駒大)過去13回優勝校は“盤石の布陣”で挑む

 駒澤大は、出雲ではエース格の唐澤拓海(2年)が暑さにやられて4区8位、赤津勇進(2年)が5区10位に沈んだ。2区間連続の失速は大きく、いい形で田澤に襷を繋げられなかった。

 大八木監督はレース後、「全日本はメンバーを変えて臨む」と語っていたが、裏を返せばそれほど選手層が厚いということだ。全日本では大砲の田澤が7区、出雲2区3位と好走した安原太陽(2年)が6区、出雲3区4位の花尾恭輔(2年)がアンカーに入り、後半の3区間は盤石の体制だ。1年生では佐藤条二が1区にエントリーされた。佐藤は全日本インカレの5000mでは暑さの影響で15分台を叩き、「準備不足」とうなだれたが、調子を戻してきた。補欠には、3本柱のひとり唐澤がおり、出雲のレース後の非公認タイムトライアル5000mでトップを走った佃康平(4年)、昨季の箱根で1区15位の白鳥哲汰(2年)も控えている。全日本は序盤の出遅れは致命的になるので、当日変更で2区、3区あたりに主力が投入される確率が高い。

 3本柱のひとり鈴木芽吹(2年)は戻れなかったが、補欠も含めてエントリーメンバーは隙がなく、過去には大会4連覇、通算で13回の優勝を誇るなど全日本に滅法強い。ミスがなければ、トップで伊勢路を駆け抜けるだろう。

優勝候補5・早稲田大)2010年以来11年ぶりの優勝へ

 早稲田大は、出雲では駅伝デビューの伊藤大志(1年)が5区12位でブレーキになったのが影響し、6位に終わった。それでも1区2位の菖蒲敦司(2年)が流れを作り、4区石塚陽士(1年)が区間賞を取るなど収穫は大きかった。

 全日本は出雲のメンバーの伊藤が1区、10000m27分台トリオのひとり井川龍人(3年)が2区、エースの中谷雄飛(4年)は3区に入った。強力な布陣でレースを作る。中盤は6区に関東インカレハーフ6位の佐藤航希(2年)、関東インカレ3000mSC7位の諸冨湧(1年)が5区に入る。故障で出遅れた山口賢助(4年)はアンカー、鈴木創士(3年)は7区と後半の重要区間に配されたが、中谷とダブルエースの太田直希(4年)、石塚、菖蒲が補欠に登録された。彼らは当日変更でメンバー入りするのがほぼ確実で、そうなると重厚なオーダーが実現する。ミスなく、デコボコな駅伝を回避できれば、2010年以来の優勝が見えてきそうだ。

 優勝争いを展開しそうなチームは以上の5校、出雲を制した東京国際大とともに、青学大、東洋大、駒澤大、早稲田大と予想する。

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