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スペイン「ペドリでもアセンシオでもない」最も危険だった選手…中西哲生に聞く“敗戦は避けられなかったのか? ”
posted2021/08/05 17:05
text by
中西哲生+戸塚啓Tetsuo Nakanishi + Kei Totsuka
photograph by
JMPA
最後の、最後で、力尽きた。
8月3日に行なわれたスペインとの準決勝は、壮絶な消耗戦となった。スペインにボールを握られる展開のなかで、日本は自陣での攻防を強いられつつも、攻撃を繰り出した。ともに2試合連続の延長戦となるなかで、115分にスコアが動く。
動かしたのは日本ではなく、スペインだった。史上初の決勝進出はならず、日本は3位決定戦にまわることとなった。
壮絶な死闘となった一戦を、お馴染みの中西哲生氏に振り返ってもらう。日本の敗戦は避けがたいものだったのか。埼玉スタジアムのピッチ上に描かれた構図をもとに、試合のポイントを浮き彫りにしてもらった。
◆◆◆
いまできることはやった。そのうえで勝てなかった、という一戦でした。
両チームともに中2日での5試合目で、準々決勝が延長戦へもつれていた。疲労感はあったでしょう。それでも、引き締まった内容のゲームになったのは、国際大会の準決勝にふさわしいものでした。
“ボールを持たせる前提”でハードワークが出来ていたが…
準々決勝までは主導権を握る戦いをしてきた日本ですが、この試合では意図的に握ろうとしなかった。ボールポゼッションは30%台から40%台の前半で推移していきましたが、スペインに持たせる前提でハードワークができていて、守備も粘り強くできていました。
ディフェンスの組織を破られたのは、失点シーンを除けば38分だけだったと思います。ワンタッチパスに反応したラファ・ミルがCB板倉滉の背後を突き、ペナルティエリア内からフリーでシュートされたその場面も、GK谷晃生がしのぎました。
奪ったあとのプランニングも持っていました。前半30分過ぎからは相手ゴールへ迫ることができ、後半開始直後にもシュートを浴びせるシーンがありました。延長戦にも好機を迎えています。しかし得点を奪うことはできず、スペインにワンチャンスを生かされてしまいました。
延長前半開始前に「堂安律&久保建英」を下げた
試合後には森保一監督の選手起用が、様々な意見を呼びました。延長前半開始前に、堂安律と久保建英を下げたことについて、「どちらかひとりでも残すべきだったのでは」との声が聞かれました。