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「獲得する以前からタクミを」「まだシンジなら…」クロップが“ココだけに語った”マネジメント術と南野拓実、香川真司への思い
text by
アレクシス・メヌーゲAlexis Menuge
photograph byTakuya Sugiyama/Getty Images
posted2021/06/21 11:04
香川真司と南野拓実。2人の日本代表ナンバー10を指導したのがクロップだ
「不満」は完全に否定すべき感情ではないよ
クロップ「出番が少なかったり、早い時間に途中交代させられたりしたら、選手が不満を抱えるのは普通のことだ。スター選手だったら毎回90分出たいと思うだろう。
だから監督室のドアを常に開けておき、選手たちと1対1で話して彼らのモチベーションを保つように努めている。しかし『不満』は完全に否定すべき感情ではないよ。新たなモチベーションにもなるからね。不満に対して肯定的に向き合えばいい」
――モハメド・サラーのようなワールドクラスのアタッカーに、どう守備をさせていますか?
クロップ「モーには『現代サッカーにおいて、世界一の選手になるためには、攻撃だけでなく守備もしなければならない』と説明している。
前線でボールが来るのを待ち、パスが届いてから仕事をするというスタイルは、もはや成立しない。現代のストライカーには、ボールを失った瞬間に後ろに戻り、仲間の守備をサポートする能力が求められる。
モーはリバプール加入からそういう守備に取り組み、次第に意識しなくても体が動くようになった。今では守備面でも貢献する完全なストライカーになった」
対話を通して、同じ「船」に乗っていると
――出番が少ない若手選手をどうモチベートしていますか?
クロップ「先ほど言ったように、1対1の対話が極めて重要だ。対話を通して、同じ『船』に乗っていることを感じてもらう。
私は常に『君はチームの一員なんだ。チームが勝つには全員の力が必要だ』と感じてもらえるように話している。試合に出てない若手がチャンスを掴んで成功できるかは、準備できているかにかかっている。若手に緊張感を持って準備させておけるかは、監督の腕の見せ所だ」
――ここ3シーズン、CLではドイツ人監督が率いるチームが優勝していますね。18-19シーズンはあなたが率いるリバプールが優勝し、19-20シーズンはフリック 監督率いるバイエルンが優勝。そして昨季はトゥヘル 監督が率いるチェルシーが頂点に立ちました。なぜドイツ人監督がこれほど成功しているのでしょう?