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イカダでキューバから亡命→MLBで“振り回しすぎ”の低評価→中日で主砲となったビシエド成長記【週刊セパ記録】

posted2021/06/01 06:00

 
イカダでキューバから亡命→MLBで“振り回しすぎ”の低評価→中日で主砲となったビシエド成長記【週刊セパ記録】<Number Web> photograph by Kyodo News

好調のビシエド。ドラゴンズの主軸バッターとして不可欠な存在だ

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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 交流戦は3週にわたって行われる。その第1週目が終わった。ここまではセ・リーグの健闘が目立っている。

 先週はセ・リーグの17勝14敗3分。最初のカードはセ・リーグ主催ゲームだった。セ・リーグはもともと「内弁慶」の傾向があってホームゲームで強い傾向があるが、最初のカードを9勝5敗2分とアドバンテージを活かして大きくリード。続くパの主催試合でも8勝9敗1分と互角の勝負だった。

 ただ、これまでの交流戦でもセ・リーグがリードしてパが追いかけて逆転するケースが何度もあった。セ・リーグは今後もホームゲームで白星を稼げるかどうかが重要だろう。

田中将大は好投しているのに白星が……

<5月25日から30日の両リーグ、投打の好成績選手>
〇パ・リーグ
打撃 ※RCは打撃の総合指標
吉田正尚(オ) 25打11安3本12点 率.440 RC 8.35
T-岡田(オ) 22打11安2本5点 率.500 RC 7.62
岡島豪郎(楽) 22打11安1本3点 率.500 RC 6.75
角中勝也(ロ) 18打8安5点1盗 率.444 RC 6.58
森友哉(西) 14打6安1本2点 率.429 RC 6.17

 交流戦の間は、セの投手を相手にしての成績になる。例年、交流戦になると実績のある打者が勢いづいていたが、上位の顔ぶれを見ると今季もこの傾向が出てきている。

 オリックスの吉田正尚は交流戦6試合すべてで安打を放った。マルチヒットが3回、本塁打3発。三振は1個だった。12打点はリーグで断トツ。また、同僚のT-岡田も打棒が爆発しており、DeNA戦では12打数7安打、打率.583という大当たりだった。

 本塁打はオリックス吉田と並んでソフトバンク柳田が3本で1位だった。

投手 ※PRはリーグ防御率による総合指標
松本裕樹(ソ)3登1H 7回 率0.00 PR3.28
瀧中瞭太(楽)1登1勝 6回 率0.00 PR2.81
田中将大(楽)1登 8回 率1.13 PR2.74
今井達也(西)1登1勝 5.1回 率0.00 PR2.50
石川柊太(ソ)1登1勝 7回 率1.29 PR2.28

 ソフトバンクの松本裕樹は5月25日、27日の中日戦、30日の巨人戦に救援登板し、3登板とも2回以上投げて無失点。ホールドこそ1つだけだったが、ロングリリーフで好投した。先発からの転向だったが、エース千賀滉大が離脱しているなかで貢献度の高い働きを見せている。

 楽天の田中将大は8回を95球で投げて自責点1の好投だったが、味方の援護が1点しかなく勝ち星つかず。これで2戦連続好投しながら勝利から見放された。

 救援ではロッテの唐川侑己が3ホールド、益田直也が2セーブ。「勝利の方程式」が機能している。

【次ページ】 ホークス打線を抑えた柳は防御率1位に

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ダヤン・ビシエド
中日ドラゴンズ

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