酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
イカダでキューバから亡命→MLBで“振り回しすぎ”の低評価→中日で主砲となったビシエド成長記【週刊セパ記録】
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News
posted2021/06/01 06:00
好調のビシエド。ドラゴンズの主軸バッターとして不可欠な存在だ
ホークス打線を抑えた柳は防御率1位に
〇セ・リーグ
打撃
塩見泰隆(ヤ)26打13安2本4点2盗 率.500 RC9.15
ビシエド(中)22打11安1本4点1盗 率.500 RC7.05
サンズ(神)24打10安2本4点 率.417 RC6.91
オスナ(ヤ)21打9安1本5点 率.429 RC6.67
オースティン(De)24打9安2本3点 率.375 RC6.51
ヤクルトの塩見は、5月27日の日本ハム戦で4安打、29日のオリックス戦で3安打をマーク。早くから期待された若手だが、大型リードオフマンとして機能し始めた。
一方で交流戦に入って外国人打者が元気だ。後述する中日のビシエドは打率5割、DeNAのソトは打率は.304だが4本塁打9打点でリーグトップ。広島はコロナ禍で選手の登録抹消が続出しているが、代役として抜擢された宇草孔基がリーグトップの4盗塁をマークした。
投手
柳裕也(中)1登1勝 7回 率0.00 PR3.78
秋山拓巳(神)1登1勝 8回 率1.13 PR3.31
濱口遥大(De)1登 6回 率0.00 PR3.23
高橋優貴(巨)1登1勝 7.1回 率1.23 PR2.95
西勇輝(神)1登 7回 率1.29 PR2.77
中日の柳は5月25日のソフトバンク戦で7回を零封。通算防御率でも登録抹消中の明治大学の後輩、広島・森下暢仁を抑えて防御率1位に立った。
阪神は秋山拓巳、西勇輝と先発投手陣が好調。巨人の高橋はリーグ最多の6勝目を挙げた。
救援投手では中日の又吉克樹が4セーブ。東京オリンピック・アメリカ大陸予選にキューバ代表として出場するために離脱したライデル・マルティネスに代わってクローザーになり、見事に代役を果たした。
MLB時代は“低評価”だったビシエドだが
★今週のぴかイチ 今やチームの大黒柱、ダヤン・ビシエド★
「長打力はあるが、守備範囲が狭く選球眼も良くない、フリースインガーだ」
2012年、ホワイトソックスの若手野手だったダヤン・ビシエドの評価だ。フリースインガーとは「三振かホームランか」の粗い打者のことだ。この時期、ビシエドは英語をほとんど話すことができず、取材はすべて通訳を介してのものだったこともあり、メディアの評判は芳しくなかった。